「やりたい」ことだけやる

夢をかなえる。 思いを実現させるための64のアプローチ

ここもいいなと思いました。

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 私がプロ選手になってから、10年以上の歳月が経ちました。何度も書きますが、これまでお金に振り回されて、何かを決断したことがありません。極端な例えですが、「いまのチームが出している倍の年俸を払うから、ウチに移籍してきてくれ」といった、宝くじのような話とは無縁ですし、もし今後そういう話が来たとしても、お金のために生き方を変えようとは思わないでしょう。
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 プレー以外の仕事も、自分で「やりたい」と感じたことだけをやっています。女子サッカーを知ってもらうため、子どもたちに普及させるため、みんなに夢を持ってもらうために、「私が引き受けたい」と思ったことならば、やったことのない仕事でも、意欲を持って取り組んでいるつもりです。私にしかできないこと、いましかできないこともあると思うので、ワールドカップ以降は、できるかぎり取材を受けましたし、イベントなどにもスケジュールを調整して極力、参加してきました。
 将来、選手を引退した後も、私はきっと、自発的にやりたいという気持ちが湧いたことだけをやって生きていくんだろうなと思います。
 たとえば、サッカーチームの監督をやってほしいと言われたとします。
 ところが、私は指導者にはまったく興味がないんですよ。常日頃から、自分で自分を「感覚の選手」だと思っているので、それをほかの人に完全に伝えることはできないだろうな、と考えているからです。そういう理由もあって、指導者には向いていません。・・・
 子どもの頃から「やらされている」と感じたことは、何をやってもうまくいかないのが、私でした。長続きしないんです。それは自分でよく分かっているので、お金に目がくらんで、嫌なことを我慢して引き受けることは絶対にないと思います。 
 私、自分で決めたことに対しては、本当にブレないんです。そこをないがしろにすると、大切な夢までがブレちゃう気がするんですよね。