人間って何ですか?

人間って何ですか? (集英社新書)

タイトルにひかれて、読んでみました。
世の中、いろんな研究してる方が、いろんな角度からこの世界を見ているんだな〜と興味深かったです。

夢枕獏さんと、いろんな分野の研究職の方(ビートたけしさんだけちょっと違う分野ですが)との対談で、電車で読むのにぴったりな感じの本でした。

印象に残ったところのご紹介です。
脳の研究で有名な池谷裕二さんとのお話から・・・

P25
池谷 ・・・風呂の栓をポンと抜くと、渦ができますね。あれは水がずーっと流れているんですよ。水を流すというエネルギーを使うことによって、渦という秩序を作っているんです。通る水分子は随時入れ替わるじゃないですか。
 私たちも同じです。人の細胞は六〇兆あると言いまけれど、数ヵ月あれば多くが入れ替わります。
 つまりミクロな物質としての自分は入れ替わるんだけれども、形や心として秩序は保っている。

夢枕 その上で同じ記憶が持続しているわけだよね。

池谷 そうなんです。生命現象とは、言ってみれば渦みたいなものですよ。・・・


こちらはビートたけしさんとのお話から・・・ここが一番響きました(^^)

たけし 専門的にはわかりませんが、パラレルワールドという考え方がありますよね。もしかすると人間っていうのは、想像し得るあらゆる宇宙にそれだけの数、自分が存在しているのかもしれません。その中で偶然、この宇宙にいる自分にしか気づいていないのが人間ではないでしょうか。だから、「自分の夢が叶わない」と言っている人には、別の必ず夢が叶う宇宙が一個あって、そこでは「夢が叶った」と言っている自分もいるんです。そうやって何千億という桁外れの数、自分と同じ人間、生き物がいて、その人たちが存在する状況というのは、自分が想像できる数だけある。
 例えば殺人犯になる自分を想像した瞬間から、それが起きている宇宙は絶対に存在します。すばらしい画家になって世に認められることを夢見るのではなくて、実はそれを想像した時点で、それは別の宇宙に必ず存在する。世界は無限にありながら、でも人間は基本的には、今ここにいる自分しか意識していないのだと思います。