タワシ王子の人生ゲーム

タワシ王子の人生ゲーム

下高井戸にあるカレーうどんで有名なお店http://tabelog.com/tokyo/A1318/A131809/13000696/の店長さんの本を読んでみました。
cakesの記事を見て、おもしろかったので→https://cakes.mu/posts/10488
ネタの宝庫?というような、波乱万丈な人生のお話。
英語できないのに日本語教師をやろうと片道切符でニュージーランドに行っちゃったり、スリランカでタワシを作って売ってかなり儲けたり(タワシ王子はそこから来てます)・・・
やりたいことがわからない人も、やりたいことやれてる人も、何か刺激をもらえる本かなと。
ずっとお話が流れているので一部抜粋が難しいのですが、一ヵ所だけご紹介です(^^)

P220
 天職を得た。なんとなくそう思うようになったのは、四十七歳のときだ。この仕事がいい、もう迷わずこの仕事を続けていこうと心に決めた。社会に出てからほとんど四半世紀、二十三年もかかった。自分の夢が叶ったなと実感を得るようになった。もう四十代だからなどと言って諦めなくて良かった。探し続けて良かった。
 俺は今、やりたいことだけやって生きている。そう思ってシャッターを上げ、そう思ってシャッターを下ろす。
 そう思うようになった頃から、一日に打つ麺の量を「これだけ」と決めた。売り切れたら閉店だ。ピーク時以外は人を雇わずに俺がひとりで営業する。家族が贅沢をせず、食うに困らず暮らしていけるだけの売り上げがあればそれでいい。それ以上の金を稼ぐ時間があるならほかのことをしたい。わがままさせてもらっている分、おいしいうどんを食べてもらえるように心がけている。
「二号店を出せばいいのに」なんて言われることもある。
 もう一軒出せば二倍儲かるのにという発想だ。「おいしいのに、もったいない」そんな善意から出る言葉だということはわかっている。
 でも出さない。なぜか?
「支店なんか出したら、時間が無くなって好きなことができなくなっちゃうよ」
 俺は自由にしていたい。そのためにこの店があるんだ。
「欲がないなぁ」と笑われる。
 欲があるから出さないのに。