感触

隠居宣言 (平凡社新書)

感触ということばとその感覚、何げなく使ってましたが、いいなぁと思いました。

P78
 ・・・知識はある程度役に立つかもしれないが、それより森羅万象に対する感触の方が重要だ。知識に頼る結果、人間は感触を失っている。生きているという感触は知識ではない。・・・
 感触っていうのは、肌触りなんです。絵では、よく「いい感触だね」とかいう。直接、手で触るというのじゃないけれども、「心で触る」っていうのか。何か交渉事があるとするじゃないですか。そうすると「どうだったですか?」「いやあ、なかなかいい感触で」っていうのがありますね。ああいう気分なんです。それは感覚、感性ですよ、論理的なものじゃないから。非常に肉体的なものの表現でしょうね。