共感したところ2

ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由

この姿勢も、すごく共感しました。

P51
 未来食堂の“まかない”はいわば、飲食業界におけるクラウドリソース。タスクを細分化し参加しやすいしくみを作ることで参加する負荷を極力下げ、結果としてたくさんの労力が集まる仕組みです。
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「理屈はわかるけど、使い物にならない人が来たらどうするの?」と思われる方もいるかもしれませんね。ごもっともです。しかしその指摘には抜けているポイントが1つあります。それは〝まかない〝は従来のモデルとは異なるということです。
「使い物にならない」とは、アウトプットが支払いに見合わない、ということですよね。通常の飲食店バイトの時給は1000円。対して未来食堂は前述のとおり原価換算だと“300円”弱。「あれもこれもしてほしい」と欲を出すのはわからんでもないですが、通常とは異なる存在に対して「使い物にならない」とNGを出すほど期待値をつり上げるのはおかしいと思いませんか?
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 その人ができることをやってもらう。使い物になるのかを判断するのではなく、その人ができる仕事を割り振ることで貢献してもらう。これが“まかない”の考え方です。
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「そうはいっても本当に使い物にならない人が来たらどうするの?」とよく聞かれます。・・・ふざけながらの2人組の申し込みを断ったことが1度だけあります。でも、それ以外に断ったことはありません。というのも、役に立たない人の方が驚かされることが多く、結果的に学ぶことも多いからです。
 ・・・例えば過去、「お味噌汁は鍋をかき回してからついでね」という指示に、5分間以上も鍋をかき回し続けている人がいました。・・・他にもため息がでることばかり。・・・でも、しばらくして気づいたのですが、その人はお釣りの渡し方と言い方がとても丁寧でした。・・・
 そういった「気づかされること」が、不思議なもので、どんなまかないさんでも必ず1つあります。ついつい効率化に目が行きがちな私が初心に戻れるきっかけにもなり、・・・大げさに聞こえるかもしれませんが、何か大きな存在が遣わしてくれた使者のような、そんな気持ちを抱いて接しています。