いろんな捉え方があると思いますが、そうかもなぁと思って読んだところです。
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東京の王子駅から歩いて５分ほどのところにある王子稲荷神社。
ここには「御石様」、別名「願掛けの石」が祀られているという。願いを聞いてくれる石のパワースポットらしいのだ。
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木札が立て掛けてあり、うっすらとこう書かれている。
願い事を念じつつ持つ石の軽重により御神慮が伺えるといふ
その下の注意書きによると、「予想した重さよりも軽く感じたら、願い事が叶いやすい。重く感じたら、叶いづらいので、まだまだ努力が必要との、言い伝えがあります」とのこと。つまり石にお願いするのではなく、願いを石が判定するのだ。
・・・
・・・私は「試しに……」と思い、「本が売れますように」と願いつつ、石を持ち上げようとした。
うっ、重い。
当たり前のことだが、石は重い。実際、本はなかなか売れず、「まだまだ努力が必要」だということは当たっている。
石をなめてはいけない。私は仕切り直し、石の裏側にある凹みをしっかりつかみ、膝を折って構えた。そして今度は「家族が皆健康でありますように」と願いながら石を持ち上げると、石はふっと浮くように上がったのである。
そういうことか……。
私はしばし感慨に耽った。木札にあった「石の軽重」とは、願いの「軽重」の反転なのだ。願いが重ければ気合いも入り、それこそ本腰を入れて持ち上げようとする。本腰を入れれば石は軽く感じるわけで、「御石様」は物事への姿勢を私たちに諭している。
