言葉の力

市川海老蔵 眼に見えない大切なもの (Grazia Books)

言霊といいますが、言葉もほんとに大切ですね。

P194
 ・・・言葉。これも眼には見えないものだけれど、とても力がある。それを最近、すごく感じています。
 弘前に行って以来、木村秋則さんの真似をしているんですよ。草とか、木々とかに、毎朝「おはよう」と話しかけている。「いいお天気だ。今日はいい日になるよ」とね。そうしたら、ベランダのローズマリーが腐らなくなりました。・・・
 それと同じで、否定的な言葉が持つ力も大きいわけですよ。・・・自分の口から出た言葉が、けっこうな力を持って人に届いている。それをもう少し意識したほうがいいんじゃないでしょうか。・・・
 ・・・
 ・・・少なくとも「嫌い」と言うより「好き」と言っているときのほうが気分がよくないですか。言ったほうもだし、言われたほうだって、絶対に気分がいい。自分の状況がよくなれば、周囲にだっていい影響を与える。もし、それが地球全体に広がっていったら、すごいことになりませんか。「好き」という言葉ひとつが、すごい力を持つってことになりませんか。
 この前、思ったんです。どんなに「チャーシューメンが食べたい」と思っていても、ラーメン屋に入って「もやし炒め」と言ってしまったら、もやし炒めが出てくるわけですよ。当たり前?そうです。たいていのことは、そうやって口に出した言葉で決まってしまうんです。だから、好きな人には「好き」と言わなくてはいけないんだと思う。つらくても「楽しいね」と言っていなくてはいけないんじゃないでしょうか。つらいときこそ、「楽しい」と口に出して言ったほうがいいんですよ、きっと。