いい関係

うらやましい人生

こんな関係が作れるっていいな〜と思いました。

P60
 私の選んだ生き方って、息子として、もはや父親が見守ることすらできないような類のものじゃない?父親に限って言えば「オカマって罪作りな生き物だな」とつくづく思う。本来いちばん理解を示したい、示せて当然と思っている息子が理解の範疇を超えたところに行ってしまうわけだから。「自分の背中を見て育った」、そう信じて振り向いたら、化粧してヒール履いてるんだよ?
 でもね、ウチの父親はそう簡単にギブアップしなかった。私が「新宿のオカマ」ならば、彼はさらに年季の入った「新宿の男」だからね。ファッション業界はもちろん、芸能界やメディアの世界にも、そして夜の世界にも精通していた。
 私が、丸の内にある「来夢来人」という店のママになれたのも、実は父親のお陰なの。「来夢来人」のオーナーである佐藤俊博さんは、40年前から新宿をはじめとする「夜のエンターテイメント業界」では知らない人はいない存在なんだけど、その佐藤さんと父親の「長年の縁故」で紹介してもらった。
 コネとか縁故って、ネガティブに捉えられることが多いし、その恩恵を無駄にしてしまう人も少なくないけど、財産にしろ技術にしろ知識にしろコネにしろ、それを親が子供に残したり伝承したり活用して欲しいと思うのは、実はごく自然なことなんだよね。
 ただ、普通のサラリーマンである父親が、オカマの道を選んだ息子にここまでの力を発揮したという例は、長い「コネや縁故の歴史」の中でも、初めてのことなんじゃないかと思う。私の場合、さらに父親の兄である「伯父の力」も借りた。「一族総出」で、ここまでのし上がったオカマなんて、世界初に違いない。
 ・・・オカマの息子とこんな関係を築くことができたサラリーマンの父親がいた、という事実が画期的なの。これだけはスゴイことなんだと言いたい。

ところでまた少しパソコンから離れるのでブログお休みします。
月曜日に再開予定です。
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