水木しげるさん

人生をいじくり回してはいけない (ちくま文庫)

死に方について、水木さんはこんな風に書いてました。
やっぱり生き方と死に方って一緒なのだなーと思いました。

P203
 理想の死に方
 それは「あっオレいつ死んだんだ」という感じでごく自然に死ぬのが良い。
 即ちぼんやりしてなにがなんだか分からんうちに死ぬるというのがよい。
 "死"というのは、むこうに招かれるわけだから素直に行ったらよいので、人間が勝手に「理想の死に方」とかなんとかいって騒がないのがいい。
 虫けらとか、犬や猫と同じように無為に迎えればよい。
 ……というのが私の意見で、「理想の死に方」とかなんとかいって人為的に死をもてあそぶのはよくない。
 自然の水で流されるように、だまってカミのなされることに従えばよい。
 まァ"ねむるが如く"というのが理想の死に方だろうか、アーメン。