こちらもだいぶ前に読んだ本で、下書きしたままになってたものの掘り起しです(^_^;)
手放すことを恐れずにいたいなと思います(^^)
P134
二〇〇六年、大みそか―。
あの日、僕は以前から思い描いていたように、一切の前振りもなしにサラッと引退をした。
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翌年からは、本を書いたりテレビに出たりインタビューを受けたりと、いろんな仕事をしながら暮らしていた。格闘家を引退してもまだその余韻があり、ありがたいことに仕事は順調に入ってきていた。
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しかし、二〇〇八年に「リーマン・ショック」が起こり、一気に夢から覚めてしまったのである。アメリカから発生したリーマン・ショックは世界中に影響を与え、経済を冷え込ませてしまった。
もちろん、日本の芸能界にも影響は出た。非常時には、死活問題にならないものから削減していくのは当たり前である。
そんなとき、アスリートがよく口にする「現役が華」という言葉を思い出した。
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僕はバブルのボディコンを脱ぎ捨て、買ったばかりの高級車を三ヵ月で売る羽目になってしまった。しかも調子に乗ってマフラーをいじったりしていたものだから、買ったばかりの高級車を安く買い叩かれてしまう羽目になった。・・・
そして、車を売るだけでは収支も合わず、家のなかのモノを売る事態にまで陥ってしまったのである。ギターやアンプ、衣服に至るまで、持っているモノを売りに出してはお金を捻出して生活することに。
バブルから一転して、田舎から上京してきた貧乏学生のような生活になってしまった僕は、気持ちを切り替えることを決意した。
・・・「一日いくらで生活できるだろうか」と、生活状況を一種の「ゲーム」にしたのだ。
スーパーに行って特売品の野菜を買って、お魚は隣町のもっと安いスーパーで……。「今日はこれだけで済んだ。自分へのご褒美にガリガリ君でも買おう」なんてやっていると、それはそれでとても楽しかったのである。
“自分バブル”のころはどれだけの贅沢をしても、それほど楽しいという気持ちにはなれなかった。
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生活レベルを落としてもネガティブになる必要はない。むしろ、ワクワクすることができた。
自分自身いつだって、またゼロからやり直すことができると分かり、それを実感として知ることができたと考えると、貴重な体験であった。
すべてを手放せば、何も恐れるものはないのだ。
ところでまたちょっとパソコンから離れるので、週末はブログお休みします。
いつも見てくださってありがとうございます(*^_^*)