夢中になる

一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い

これはだいぶ前に読んだ本で、下書きしたままになっていたものの掘り起しですが(^_^;)
以前「夢中になる趣味がある人はいいな〜、私も何か欲しい」と身近な人に話したら「本があるじゃない?」と言われて、ええっ?とびっくりしました。
本やマンガを読むことは、趣味というより生活の一部という感覚だったので…。
言われてみれば、それが夢中になれるということか、と今さら気づいたのでした(笑)
そんな、夢中になるということについて、書かれていたところです。

P68
 人というものが、どういうものであるか、わからないから、文学、芸術、哲学、さまざまな活動をして、人は模索しているのです。なんでこんなことをやるのだろう、ということを一生懸命にやっているのです。
 たとえば、スポーツにしても、なにもそんなに必死になって、泳がなくたっていいはずです。人はなぜ、そこまでして泳ぐのか?それはこういう理由です、と明確に答えられる人はいないでしょう。泳ぐからには、一番になりたい、記録を更新したい、ということです。テニスやサッカーなどの試合にしても、勝ちたいという思いで、選手はプレーをしているのであって、負けたからといって、死ぬわけではありません。
 なにかに夢中になるものがないと、人は生きていて、なんだか頼りない。なにかに夢中になっていたいのです。それが、一番になりたい、記録を更新したい、という思いにもつながっていきます。
 なにかに夢中になっているときは、ほかのことを忘れられますし、言い換えれば、一つなにか自分が夢中になれるものを持つと、生きていて、人は救われるのだろうと思います。仕事に夢中になったり、趣味に夢中になったり。宗教などに夢中になるのもそうだろうと思います。
 人はみな、なにかにすがっていたい、どこかによりかかるものがほしい。その一役を買ってくれるのが、なにかに夢中になることだと思います。そして、芸術、スポーツ、宗教など、さまざまなものを生み出しているのだと思います。