菩薩のあり方

教えて、お坊さん! 「さとり」ってなんですか
こちらは曹洞宗国際センター所長の藤田一照さん。
このお話、わかりやすかったです。

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藤田 どんなところにでも自由自在に入っていけるような存在が仏教の菩薩のイメージなんですよね。
小出 自由自在。妙なこだわりがない、という感じですかね?
藤田 うん。『維摩経』にもガチガチのお釈迦さんの弟子たちがからかわれているような描写があってね。
 天女が地上に向かって花を降らせるのね。真面目なお釈迦さんの弟子は「こんなけばけばしいものは自分についちゃいけない」って言って振り落とそうとする。でも、そういう風にすると余計にくっつくわけだよ。ところが菩薩にはなんにもつかない。さらーって落ちちゃうわけ。
 どうしてかというと、菩薩は分別を超えているから。綺麗、汚いっていう判断がないから。菩薩にとっては、それはただの花なんだよ。それ以上でも以下でもない。「お前たちは、花を汚いと思うから余計くっついてしまうんだよ」っていう教えをもってそのお話は終わるんだけど、・・・