自分を愛する

EARTH GYPSY(あーす・じぷしー)

ここは、お母さんへのわだかまりがなくなったら世界が変わったという場面です。

P96
お母さんと話してから、私の世界はガラリと変わった。
自分を愛せるようになってから、いつも見える景色が本当に少し鮮やかになった。嫌いな人や苦手な人が少なくなって、あんなにいがみ合っていたお母さんは、大好きな人になってしまった。

そして、いつの間にか小さい頃の“色の世界”が戻ってきた。
またあのときみたいに音楽や人に、色がついて見えるようになったんだ。

世界は、本当に変えることができるんだ。
それはまず、自分を愛することだった。

そして、私は日常も大きく変わったことがあった。
それは人から相談を受けることがとても増えたのだ。
増えたどころじゃない。

初めて会った人や、疎遠だった同級生、バイトの先輩、なんで私に?という人から相談を受ける。人の相談を徹夜で聞いて、次の日違う人の相談に向かうということが連日続いた。その内容は、最愛の人との死別や、DVや中絶など、なかなかディープなものが多かった。

だけど、その人がどんなに泣いていても、どんなに人生が最悪で壮絶な状況でも、その人の持つ色は、変わらずとってもキレイだった。

そうか、人は一人ひとり、もともとキレイな色を持っているんだ。
もう100%なんだ。ただ、少し忘れてしまっているだけなんだ。

何かになろうとするんじゃなくて、本当の自分を思い出していけばいいだけなんだ。

その人の本当の色を話すと、みんな顔が輝いた。
本当の自分を知るのは、みんな嬉しいんだ。
子供の時のように、“そのままでいいよ”。
みんな誰かにそう言ってほしかったんだ。