イタリアあるある

最後はなぜかうまくいくイタリア人

イタリアのあるある行動も紹介されていて、なんだかほのぼのした気持ちにも…

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列は絶対につくらない
 イタリアを旅していて、本当にイライラするのは、イタリア人が列をつくれないことだ。1列に並ぶなんてことは最初からできるはずがないが、2〜3列に並んでいても、徐々に横に広がって、どんどん割り込んでくる。結局は、列に並ぶ意味がないのである。
 そんなイタリア人が日本に来て、バスなどを待つ整然とした1列の並びを見ると、「日本人はすごい」と感心しているから、「イタリアでもやればいいじゃないか」と言ってやるのだが、「とても無理」との答え。イタリア人の場合は10分後に到着するバスのことを考えて列をつくることはできなくて、バスが到着した段階でいかにうまく先に乗り込むか、瞬時に判断してその技を競うほうが向いているとのことだ。
 やはり生き方は一貫しているのだなと妙に感心してしまう。
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夜でもサングラスをかける
 日が暮れてから出かけるのに、なぜかサングラスを持ってくる。しかも意味なく頭にかけたり、シャツの胸元にぶら下げたりしている。お洒落のつもりなのだろうか。正直言って私には意味がわからない。
 一度、「なぜ役に立たないものを持ってくるのだ」と尋ねてみたら、「なんとなく落ち着く」との答えだった。妙に納得してしまった。

雨が降ると元気をなくす
 イタリアには雨があまり降らない。・・・だからさまざまなイベントは・・・「まず雨は降らないでしょう」といった、かなり楽観的な予想に基づいて準備される。
 イタリアの町自体は雨にまったく対応していない。ちょっと激しい雨が降るとすぐに道路は冠水して大渋滞になり、パニックとなる。いくら頻度が少ないといっても降ることはあるのだから、そのための備えをすればよさそうなものだが、イタリア人にとって「万が一雨が降ったら」などと考えることは、「万が一XXが死んだら」と考えるぐらい嫌なことのようで、あまり議論したがらない。
 イタリア人自身も、雨が降ると急に元気をなくす。とくに南部の人間がそうである。予定していた打ち合わせが「今日は雨が降って気分が乗らないから」という理由で中止になったことが何回かある。日本だったら「ふざけるな」で終わりになる話だろうが、塩をかけられたナメクジのように元気をなくしている相手を無理やり連れだしてミーティングをしても生産性が低い。私も部屋にこもって、一緒に落ち込むことにする。