ここも同感でした

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

共感するところが多くて、たくさん書きとめてしまいました。
これで一区切り・・・、ここも大事な考えだな〜と思ったところです。

P256
 ・・・人間の社会全体は一つの生き物のようなもので、それぞれの個人が働いたり働かなかったり子供を産んだり食料を作ったりするのは、一つの体のそれぞれの器官が働いているようなものだということだ。一人の人間の中にいろんな考えやいろんな臓器が同居しているように、社会の中にもいろんな人間がいてそれでバランスが取れている。
 ニートもサラリーマンも、警察官も犯罪者も、起業家も自殺者も、右翼も左翼も、同性愛者も異性愛者も、農家も漁師も、ホームレスもサッカー選手も、みんな現在の社会のある一面を引き受けている。それは全体として一つのものであって、そのうち一部分だけを切り捨てることなんてできない。社会の一部の人間を切り捨てようとすることは、一つの個体が自分の手足を切り落とそうとするのと同じだと思う。

P259
 ・・・大きな視点から見ることによって、同じ社会にいる他者に対する寛容さを持てたらいいなと思っている。ニートでない人たちは、ニートが自分たちとまったく違う何かだと思わないで欲しい。それは自分たちと同じ社会の雰囲気から生まれた、自分と共通するものを持った何かなのだから。
 逆も同じことが言える。ニートにとっても、働いている人は自分と無関係ではない。それは自分と共通する何かを持った人たちで、一枚のコインの両面みたいなものだ。・・・
 自分と違う生き方をする人たちについて、自分とは全く切り離された何かだと思わず、自分と共通する土壌から生まれた全体の一部だと思って受け入れられるような、そんな寛容さをみんなが持ったらもう少し世界は生きやすくなるんじゃないかと思う。

 こんなことも書いてあって、面白いなと思いました。
P279
 一人の人間がニートの一線に留まることのできる期間は短い。僕もそろそろ支援する側に回るのかもしれない。この本を書くという作業も支援しているようなものだし。ニートが時間が経つにつれてニートを支える側に回り、そしてまた新たなニートが生まれていく、というサイクルが世界では回っているのかもしれないと思う。

 いろんな視点からいろんなことが書いてある本でしたが、ニートがどうこうという枠を超えて、つながりの中で生きるとか、適性に合った生き方とか、これからの社会の流れ、未来が見えるような気がしました・・・大袈裟かもですが(^_^;)