東田直樹さんの本

跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること
東田直樹さんの「跳びはねる思考」を読みました。
感動しました。。。
また何ヵ所か、ご紹介したいと思います。

P2
 障害があるから不幸ではないのです。けれども、自閉症だから、普通の人にはない感性が僕に備わっているのは事実でしょう。ただし、一口に自閉症といっても、ひとりひとり違います。全ての自閉症者が僕と同じではありません。
 僕がエッセイの中で伝えたかったのは、その人にしかわからない世界があるということです。
 物事は、少し見方を変えれば、全く違ったとらえ方ができるのではないでしょうか。
 僕がどんなに高く跳びはねても、それは一瞬のことで、すぐに地面に着地してしまいます。なぜなら体というおもりがついているからです。
 しかし、思考は、どこまでも自由なのです。
 何の制約を受けることなく、空の彼方に舞い上がったり、深い海にもぐったりすることができます。
 僕と一緒に思いを巡らせてみませんか。きっと、あなたも新しい「自由」を手に入れることができるでしょう。

P14
 啓発活動をしている人は、障害の理解を広めれば、誰もが暮らしやすい社会がつくれると考えています。しかし、人の心は複雑にできています。理解できたから、協力するとは限りません。正しさがいつも、世の中を動かすわけではないのです。いろいろな矛盾も含め、多くの人たちの意思でこの社会は成り立っています。

P12
 僕は、みんなができることができないために、何度も自分が嫌になりました。
 障害を抱えて生きることは、生まれ持った境遇を誰かのせいにするわけでもなく、いつか普通になれる希望にすがることでもありません。
 僕にも、みんなと同じように明日はやってきます。 
 今日の幸せが、明日の幸せにつながることを信じ、今笑顔でいるのが大切なことなのです。