カウンセリングするつもりじゃなかった 久保みねヒャダこじらせ雑談

カウンセリングするつもりじゃなかった~久保みねヒャダこじらせ雑談~

 こんなふうにおしゃべりできる仲間がいるっていいなーと思いつつ読みました。

 

P67

ヒャダ 僕、こないだ浅草に行ったんですよ。友達とご飯食べることになって、その友達が浅草橋の子で「幼なじみが5代目を継いでるどじょう屋さんがある」ってことで浅草のどじょう屋に行ったんです。どじょうをさばく様子を見させてもらったんですけど、店からちょっと離れたプレハブ小屋みたいなところで、70歳くらいのおじさんがタンクトップ着て丸椅子に座って、一心不乱にどじょうの骨抜きをしてるんですよ。それがもう光の速さで。5代目に「あの人はどれくらいやってるの?」って聞いたら、「僕が生まれる前からやってます」って。狭いところで暑い日も寒い日も、ずっとどじょうの骨抜きをするストイックさ。もう「偉い」というのでもなくて、なんて言ったらいいんだろう……。

能町 「この人生……」って思いますよね。

ヒャダ そうなんですよ。「この世界線って何なんだろう」と思って。「仕事って彼にとって何なんだろう。生きがいでは絶対にないよな」と思いながら、「生きるって何だろうな」って考えちゃって。

能町 私もそういうのある。

ヒャダ 「たぶん彼はこのままどじょうの骨を抜き続けて、このまま死にゆくんだろうな」と思って……。人生って、不思議なものですね。どじょうはとてもおいしかったです。

久保 そう言ってくれる人がいると、仕事は報われるはずなんだよね。

ヒャダ でも彼には届かないんですよね。裏方も裏方だから。店の中で、客に見えるところでやってたらまた違ったんでしょうけど、離れた小部屋でやってたので。

久保 うちらは、仕事のやりがいや手応えがしっかりありすぎる世界に慣れすぎてるんだよ。

ヒャダ そうそうそう!

能町 それは思う。久保さんは違うけど、私はそもそもがネット出身だから。

ヒャダ 僕もそうですね。ネット出身。

能町 ネットって評価が来ちゃうじゃないですか。自分が何かやったときに評価を見れるのが当たり前だから。

ヒャダ そう、プラスにもマイナスにも針が動くのが当たり前。

能町 だから「何のリプもないものって、どうやればいいんだ⁉」って思ってしまう。

ヒャダ どじょうの骨を抜き続けるのは、何のリプもないから。

久保 でも、そういう仕事をしてる人は世の中にたくさんいるんだよね。

能町 それはすごいと思うんですよ。私も会社員やってましたけど、その時点ですでにブログ書いてて、今につながるようなことをやってはいたから、何らかのリプはあるわけですよね。「リプのない仕事でモチベーションが上がらないなんて、私は劣ってるのかもしれない」と思って。

ヒャダ 仕事に対して、そもそもの考え方が違うのかもしれないですよね。

久保 私は「何か言ってくる人によって自分のモチベーションを左右されないようにしなきゃ」というのはずっと意識してる。・・・誰からも声援を受けなくても、自分のやりたいことをやれるようにしたい。だって、作ってる段階では常に無観客試合でやってるわけじゃないですか。

 ・・・

―でも作り終わっちゃうと……。

久保 「評価まだかなあ」みたいな感じに(笑)。なるね。

 

P227

ヒャダ さっきの「都会の人はあいさつ無視する問題」ですけど、こないだ大阪の番組で地元ロケをしたんです。道ですれ違うときに「こんにちは」ってあいさつしたら、100%返してくるんですよ。

能町 ああ、大阪はすごいですよね。

ヒャダ コール&レスポンス、ヤバかったです。無駄な照れがない。

能町 東京だと、最初にちょっと助走つけてから来るんですけど、大阪はいきなり来る。あれは好き。大阪でキャリーバッグをロッカーに預けたかったんだけど、全部埋まってて、「どうしよう」と思って、一瞬ぼーっとしてたんですよ。そしたら後ろにいたおっちゃんが、「向こうにもようけあるで」って。1ターン目でそれだったんですよ。あれはいい。

久保 きっと外国だったら、そういう会話もあるのかもしれない。でも東京だとまずないよね。

能町 東京はまずないですよね。あと、大阪で相撲を見ていたことがあったんですけど、私が応援してる明瀬山という力士がいて、私は勝手に「パンの山」って名前を付けてるんです。それは相撲ファンの間ではわりと知れ渡ってるんですけど、でも会場で「パンの山」と呼ぶのは失礼だから、「明瀬山!」って大きな声で言ったんですよ。まだコロナ禍じゃない時期だったから。そしたら前の席のおばちゃんがわざわざ振り向いて「パンの山ちゃうんかい」って言ってきて(笑)。

ヒャダ ツッコミ(笑)。

能町 そうそう。その人と、それまで全然しゃべってないんですよ。