組織をまとめられない監督や指導者は、自分のことが大好きで最悪の状況に気づいていない、というのを読んで、確かに…と思いました(笑)。
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・・・これはルール化やルールの運用にも少し関わってくるので触れておきますが、キャプテンを投票制(総選挙)で決めました。
・・・しかも、投票には選手だけでなくメディカルスタッフやマネージャー、広報などにも参加してもらいました。なぜだと思いますか?
彼らは表も裏も、選手の「日常」を知っているからです。
チーム内で誰がどのように評価、信頼されているのか、あるいは、そうでないのかということを知る良いきっかけにもなるわけです。様々なものが新たな視点で見えてくるので投票制にしました。他クラブでは監督が決めることが多いと聞いていますが、自分たちが選んだキャプテンを中心にチームづくりをするほうが一体感が生まれますし、仲間から信頼を受けて選ばれたキャプテンにも責任感が生じてきます。
キャプテン1名と副キャプテン2名を決めるための投票方法は無記名。ただし推薦した理由はしっかり書いてもらいます。
蓋を開けてみると明白でした。
投票結果は非常に興味深く、これまでのチーム状況がよくわかります。普段、直接聞けないような本音や選手間の評価を知ることができ、現場における個人評価の指標にもなるのです。
いずれにしても、最初にルール化しておくことが重要なのです。こういった投票の実施はチームの結束力を高めたり、モチベーションアップにも繋がったりするので有効なイベントだと感じています。メンバーの意外な本音が知れたり、コミュニケーションが深まることにもなります。今ではキャンプのメインイベントになっています。
強い組織のベースづくりによって、2023年シーズンのゼルビアも最終的には家族のような、いい意味で和気あいあいとした組織になりました。「仲間のためにプレーする」「試合に出ていなかった選手のために戦う」、そういった言葉が選手から自然に出てくるのを聞いて、ゼルビアならではの良いチームに仕上がったと感じました。
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・・・チーム再生のために進めるべきポイントがもう一つありました。それは、「選手の自発性をどう引き出すか」です。
これは非常に大きな課題で、そもそも私は練習で監督が主導権を握る必要はないと思っています。監督はバランサーであり、統括者であり、チームという「生き物」に最適なスパイスを与えるのが最大の仕事だと思っています。そして選手たちが自発的に取り組み、思考を共有することでチームはより結束力を増します。・・・これができないと試合中に自分たちで考える選手は絶対に育っていきません。「発想の自由」と「原則の共有」。このバランスこそが常勝チームの根幹を支える「軸」となるのです。
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会社など世の中のあらゆる組織が機能するために必要なのは、各セッションでの役割りが明確化されることです。責任を持って業務や作業ができることが重要で、自分の役職の下に誰かがいるのであれば、信じて任せて、不具合が生じた時には速やかに指摘し改善していくことが望ましい在り方だと考えています。
・・・注意しなければならないのは、いちいち社長や監督が裾野までおりていって、自分の権限を振りかざしたり、課長や係長、担当コーチなどにおおいかぶさって勝手に物事を進めてしまうと、組織は必ず混乱するということです。・・・
私は「組織をまとめられない」「結果が出せない」監督や指導者を数多く見てきましたが、みんな共通の特徴が見受けられます。人の話を聞けない、自分本位、頭でっかち、人を大切にしない、成功は自分のおかげ、失敗は他人のせい、そんな独りよがりな立ち居振る舞いをする人ばかりで、そして何より自分のことが大好きなんです(笑)。さらに、そんな最悪な状況にも一切気づかないのも特徴なのです。これでは周りのスタッフは一切ついてきません。
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良い成績が出て勝利した時は、それぞれの担当の頑張りを称賛し、みんなが肩を組んで一つの勝利を分かち合い喜び合える。それがチームであり、組織です。これが、独りよがりの監督が誰にも頼らず得た勝利では、組織としての喜びも半分、達成感も得られないでしょう。失敗した時の原因や責任は、スタッフみんなで共有し、各々が自分のこととして捉え、全力で改善を図っていく。すべての責任が監督に集中するようなチームは一番良くないと思いますし、これでは組織として成長しません。・・・
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常に聞いている相手の立場になって、言葉を選んで、第一声で何を話すか、言葉のトーンを変化させ、少しずつ興味を探っていくのです。最悪なのは、一方的に自分の話をする人、いつまでも同じ話を繰り返している人、過去の自慢話ばかりする人、興味のない話題を延々と話している人……等で、自分では気づいていないと思いますが、そんなタイプのリーダーが多く存在しています。伝える上で重要なポイントは常に主人公は聞き手であるということです。
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「人の話を敬意を持ってきちんと聞ける」「周囲に流されることなく信念を持って頑張れる」「人の心をよく理解し行動できる」「頑張りではなく努力ができる」「自分のウィークポイントと向き合い克服できる」等々、人として、スポーツ選手としての基本は、できているようで意外とできていない選手が多いと感じています。一般の社会人も含めて成長できていない人は、そこに問題があるのではないでしょうか。
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自分にとって必要なスキルを学ぶことは大事ですが、個人スポーツであろうとチームスポーツであろうと、一人で何かを成し遂げることは絶対に不可能です。人として仲間をリスペクトし、協調性を持って付き合える。そういった思考やメンタルを持っていなければ国内でも、海外へ出ていってもまったく通用しません。・・・
昔はエゴが強いとか自己中心的な選手もいましたが、能力が他より少し高くても、そんな差はたかが知れています。能力が高くても「潰れていった選手」や「伸び悩んだ選手」を今まで何人も見てきましたから……。やはり教育から得られる基礎的な要素が土台となり、それこそがアスリートの成長にも欠かせないものなのです。
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藤田 「J1昇格」を目指すチームと「J2優勝」を目指すチーム、何が違いますか?
黒田 やっぱり優勝するチームは隙がないチームです。それから「勝者のメンタリティ」を持つ組織にすることです。勝つための思考をチーム全員が持ちつづける。あとはそれを習慣にすることです。良い習慣、勝つための習慣というものを組織内にいかに早い段階で浸透させていけるか。そうすることによってチームからいろんな良い発想や良い行動というものが生まれてきます。
・・・勝つための思考に選手たちがなってくると、こちらが細かいことを言わなくても自ずと能動的な活動や行動が伴っていきます。こういった歩み方をしてくれるのが組織にとっても最も重要なことかと。
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藤田 熊本での試合後に「(黒田監督は)グループ会社の社長になっても結果を出しそうです」と何かの質問に答えたんです。安心してグループ会社の社長を任せられる人というのは特徴的な部分があります。それは、最初に凄くネガティブに考えて徹底的に対策してから、最後に送り出す時だけポジティブなタイプです。
グループ全体で多いのは、ちょっといいところまでいくと「完璧だ、飲みに行こう!」みたいな最後の詰めが甘いタイプ。それに比べて黒田監督はネガティブ面を徹底的に潰すための準備を本当にしっかりやっている。この部分が非常に大きいんじゃないかと。
フロント側から見ていて感心したのは、黒田監督は僕なんかが思いつく懸念点は先に気づいて潰してしまっていたことなんです。だから、やれるべきことを全部やりきって最後に送り出す時は絶対に勝つぞ!と。さらに感心したのは、最後の最後には神社へ行って神頼みまでされていると聞きました。・・・
・・・つまり、不運で負けるという懸念点さえも潰しているんですよ。・・・
黒田監督の強さの一つとして高い言語化能力があります。・・・
・・・黒田監督の場合は話の視点を変えて、言葉を変えて、一人ひとりに伝えていく。・・・
黒田 伝えるということは、伝えられる側がどのような言葉をどのタイミングで聞きたいのかを察知した上で「伝える」ということです。言いたいことを一方的に伝えたり、相手に響かないタイミングでも強引に伝えたりするのは、伝えたことにはなりません。あくまでも「聞く側」の都合が重要だということです。指導現場では、パフォーマンスを発揮しやすい言葉や、モチベーションが上がりやすい言葉を選択して伝える必要があるとういことです。なので、こういう言葉をかけてもらったら自分だったら頑張れるなっていう言葉や情報を探し続けることが私の日課なんです。・・・
