まいにち酒ごはん日記

まいにち酒ごはん日記 (幻冬舎単行本)

 美味しそうなもの満載の一冊でした。

 写真抜きで文字だけでは味気ないですが、読んだ記録を・・・

 

P30

 先月訪れた岩手・遠野。「民話の村」として知られるようになったのは、現地に伝わる逸話や伝承などが記された説話集「遠野物語」がきっかけだったそう。しかし、「著者である民俗学者の柳田國男は、岩手出身でもないのに、なんでこんな本を書いたのかな~」と急に気になって調べていたら、わりと個人的な理由で驚いた。

 学生時代、とある女性に片想いしていたら気持ちを伝えないままに早死にされてしまい。さらにその後、両親も相次いで亡くなり。果たして人の魂はどこへ行くのかと悩んでいたら、遠野出身の男性に出会って故郷に伝わる民話を聞いたのがきっかけなのだそう。妖怪の話は、怖いだけではなく魂が行きつく先を描く悲しい話も多いから感銘を受けたんだろうなー。まあ、彼女に片想い中も、「自分が小鳥になって彼女の部屋の窓辺で鳴く詩」とか書いていたらしいから素養はあったのだろうけど……。調べると、いろいろ興味深かった。

 カッパだ座敷わらしだとキャラ感満載の遠野だけれど、村を取り囲む独特の澄んだ空気を持つ山々を見ていると「確かにいるかもねー」と思ったわー。個人的には霊感とかゼロなんですけどね。これから遠野の生わさびをすりおろすたび、ふと柳田國男のことを思い出してしまいそう。

 

P68

 昨日のピクニックの残りのソーセージでランチを……とか思いつつ、スキレットでソーセージとオクラを焼き始めたら完全につまみだったので、コンロ前に丸椅子を持ってきて呑み始めたのは当然のなりゆき。

 リビングもダイニングも書斎も寝室もあるのに、台所にいることが圧倒的に多い。このせまくて古くて暗い場所が、とにかく好きなんだなあ。

 うちの台所は今どき珍しいクローズドキッチンで、入り口が2つあるという少し変わったつくり。棚には、大好きな調理器具や食器がぎっちり詰まって、さながらコックピットのごとし。

 閉ざされているので暗い分、朝はコンロの脇の窓から教会の光のような美しい光が射してフライパンの中を照らす。昼になると全体が明るくなってきて、照明はいらないくらいの明るさに。窓からは隣の公園の緑が見えて気持ちがいいので、パソコンを持ち込んで少し仕事をしたりもするなあ。夜になったら、本格的に真っ暗。間接照明だけをつけて音楽をかけながら料理をしたり、晩酌をしたり……。本当に、一日中ここにいる。

 ファッション関係の仕事をしている友人にそう話したら、「わかる!私もクローゼットに住みたいもん」だそうで笑った。好きなものに囲まれるって幸せだし、私はそこでお酒が呑めたら最高だな。