興味深く読みました。
この本に関するインタビューもありました↓
犬山紙子さんが在宅増でも夫婦円満なワケ 「すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある」インタビュー|好書好日
P3
どれだけ円満に見える夫婦にも大なり小なり問題はあります。なぜなら、問題を抱えない人間はいないから。なので「夫婦関係をよくしたい」と思ったときに、〝問題がすでにあること〟を前提とし、そこからどうリカバリーすればいいのかという視点が必要ではないかと思うに至りました。
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もちろん、問題は起こさないに越したことはないし、努力次第で減らすこともできます。そのために大切なのも〝知ること〟なんですよね。夫婦間で起こりうるさまざまな問題を先に知り、その対処法のヒントを知っておく。すると、問題が起こる前に対処できたり、起きた後のリカバリーが非常にスムーズになるんですよね。知識は問題の重症化を防ぐワクチンのようなものです。
そんな思いから、夫婦関係をよりよくするためのワクチン、ヒント集のような本を作りたいと思うに至りました。・・・
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そこで週刊SPA!で「他人円満」という連載を始め、あらゆる問題を乗り越えた夫婦を取材しました。そこから我々に役立つと思われる教訓をまとめたり、専門家の著書から得た知見をシェアしていったのです。
他人円満。そのタイトルは、夫婦とはそもそも他人であり、他人同士が円満に暮らすためには、知恵と歩み寄りが必要であるという気持ちでつけました。何も対策を取らないで他人同士の関係性をうまく保ち続けるというのはほぼ不可能です。育った環境も違えば考え方も違う、価値観が違うふたりが一緒に暮らしていくわけですから。
P137
さきほど、おふたりの性格がすごくしっくりくるというお話を聞いたけど家事育児の役割分担も非常にしっくりくる形に落ち着いているようです。しかも、話を聞いているとアツヒロさんの「夫も育児をするのは当たり前」という認識を常々感じて、心強い限りです。
ノア「うちの子は双子なのですが、夫は世間一般の夫婦よりすごく育児に関わってくれてると思います。なにか私が『こうして』と指示をしなくてもひとりでやってくれるので。あと、強いて言うなら食事を作れるようになってくれるとすごくありがたいなと思います(笑)」
しかし最初から「俺が手伝うよ」じゃなくて一緒にやるのが当たり前だよねっていう感覚って珍しいケースだと思うんです。なにか意識のすり合わせはあったのでしょうか。
ノア「子供が生まれてすぐに里帰りして、産後1~2か月は実家で子育てされる方も多いと思うんですけど、一番大変なこの時期を旦那が見ないで過ごしちゃうと『別に自分が関わらなくても勝手に育っていくし』みたいになっちゃうと聞いたことがあって。それで里帰りはしなかったんです。実際にかなり大変でしたが、そんな姿も旦那に見てもらったのがよかったのかな、と思いますね」
その間、アツヒロさんは育休を取られることもなく、仕事をこなしながら生後間もない双子のお世話をしていたそう……それは大変だ。
アツヒロ「いやあ眠かったですね。生後すぐ、昼夜問わず3時間に1回の連続授乳をしなければいけない時期があるじゃないですか。粉ミルクを作るにも双子なのでその頻度も多くて、僕が動かないと物理的に回らなかったんです。だから、自然と育児に関わるようになりました」
夫が粉ミルクをあげると、その間ノアさんも眠れるわけで、アツヒロさんのしたことってただ「粉ミルクをあげた」だけじゃなくて妻に大切な睡眠時間を渡したということなんです。こんなに尊いことはありません。育休を取ってない人がそれをするのは本当に大変なことだったと思います。でも、妻も産後の体で必死に子どもを守っている。お互いがお互いを思いやるからこそ、こなせたことなんじゃないでしょうか。そして、男性がもっと育休を取りやすくなってほしいものです。
このように、お互い〝子育て当事者〟として育児をしていて、相手に対する不満もなし。話を聞いていると、ふたりの距離感がすごくいいなと感じたのですが、おふたりのルールってなにかあるんでしょうか。
アツヒロ「ルールというか、子供が生まれてから僕は『言って失敗したな』と思ったことがあります。それが相手の生き方、仕事に対してケチをつけたこと。妻は時短勤務ですが、毎日残業が続いた時期があったんですよ。そうなると保育園を延長させたりなど負担が大きくなるわけで、そんなときに『時短で働いてる人の仕事を増やさないと回らないような会社ってどうなの?』『なんで働き続けたいの?』ってグチグチよく言っちゃってたんですね。でも、僕は彼女の職場がどういう人間関係で、どんなふうに働いてるのか見えてないし、それはお互い同じだと思うんですね。そんな事情がわからないのに家族の都合でそういうふうに言うのはよくないと。そこで『相手の領域には踏み込まない』と決めました」
結婚した途端にコミュニケーションが雑になりがちだけど、こうやって想像力を持って相手と接することを続ける大切さよ。仕事のやりがいに男女比もないし時短も関係ないわけで、仕事は人のアイデンティティに直結することも多いですから。
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子どもを産んでから夫を嫌いになった―という話、残念ながら本当によく耳にします。『子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』)ジャンシー・ダン/太田出版)という本が話題になっていましたが、「子どもが生まれたら夫が憎くなってしまう」というのは世界の共通認識であるということがよく伝わってきます。
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東レ経営研究所による「女性の愛情曲線」というグラフがありまして。
これによると、結婚直後から妻の夫に対する愛情は下がっていくのですが、出産して、子どもの乳幼児期に妻が「夫とふたりで子育てした」と思えたら、どんどん愛情は復活し、子どもが高校に入学する頃には新婚時の愛情と変わらないまでに回復するようです。
逆に夫が子育てに参加しない場合、子どもが高校に入学する頃には、妻の愛情は地に落ちています。・・・もちろん、育児を取れない会社だ、持病がある、などさまざまな事情で子育てに参加できないこともあると思います。そんなときは相手が無理をしないようにどうすべきか話し合うこと。・・・寄り添う姿勢、実際寄り添っているかどうかが大きなポイントかと思われます。
P152
夫婦で起業して5年目になる平本和樹さん(32)、沙織さん(33)ご夫婦。3歳の息子さんとともに、品川区と岐阜県の飛騨高山、大分県竹田市の3か所での多拠点生活を送っているそうです。さらには東京でシェアハウスプロジェクトにも参加し70人の〝家族〟とコミュニティ子育てをされているそう。……ってあまりにも「普通」とかけ離れているように見えるけど、夫婦は夫婦なわけで。ふたりはどんな危機を乗り越えてきたのでしょうか。
沙織「起業して半年後に妊娠しましたが、フリーランスなので産育休はなし。さらに、私の総務省案件の仕事も同時期にスタートしました。周囲に頼れる人はほぼおらず、里帰り出産ができる状態でもなかったので、出たとこ勝負の育児になり産後クライシスになってしまいました」
・・・さらに、保活(子どもを保育所に入れるための活動)にもかなり苦労したんだとか。
沙織「最初は渋谷区に住んでいたんですけど、保活が厳しすぎて品川区に引っ越したんです。保活は『会社の人事として、役員(=私)がどうやって職場復帰するか』と〝会社の仕事〟として割り切ってやるようにしていました。見学には私がひとりで行ったんですけど、夫にプレゼンしやすくするためにエクセルで採点項目に〇✕をつけるフォーマットを作ったりして。幸い、そこで意見のすれ違いが出ることはなかったですね」
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・・・この夫婦、お話ししていて感じるのが、お互いを「個」としてかなり尊重しあっていること。・・・
和樹「確かに、うちの夫婦は〝他人度〟が高いのかな、と思います。・・・」
沙織「・・・夫のスタンスは『自分が嫌なことは妻にもやらせない』ではなく、いい意味で『好きにやっていいよ』という感じなんですよ。・・・
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たとえば私はディズニーランドが大好きなのですが、夫はとくに行きたがらない。ウチは「パパと一緒に行けない子供がかわいそう」とか「家族みんなで行くこと」といったことにこだわらないようにしています。楽しめない人と行くより、それこそディズニーランドが好きなシェアハウスのメンバーなどと行ったほうが楽しめますしね」
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沙織「子育てに関しても、シェアハウスで一緒に暮らす〝拡張家族〟のみんなに面倒を見てもらうことがよくあるんです。普通の感覚からすると『よくわからない〝家族を名乗る他人〟が毎週末家に来るなんて……』と感じるかもしれないですが、我が家はそれでいい。それに、家が3箇所にあるとか、夫が相談なしに家を買っちゃうとか、シェアハウスに泊まり込んで家に帰らないとか……私たちは世間の〝普通〟とはかけ離れているかもしれませんが、結果的に家族みんなが元気に楽しく暮らせていたらいい。常識を捨てた先に、今の生活が成り立っていると感じます」
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沙織「突き詰めると、『家庭も組織のひとつ』という感覚なのかもしれません。仕事だったら全工程を抱え込まなくても、プロに外注したり、便利なサービスを使うのが当たり前ですよね。とくに、私たちは夫婦ふたりで小規模な会社をやっているので、最初から「ふたりだけでできることはそんなにない」という感覚はありました。子育ても抱え込むのではなく、『こうしたほうが効率的だよね』と納得できるやり方で進めたほうが、いろんなことが捗るんじゃないかと」
