52歳、今ようやく人生が始まるの

52歳、今ようやく人生が始まるの

 いつになったら発作が落ち着くかわからない日々を経て、ほんとに今ようやく、という感覚だろうなと想像しつつ読みました。

 

P32

 私は「正社員」として働いた経験がありません。

 資格を持っているわけでもないし、パソコンもできない。だから、Instagramも動画の編集も、すべてスマホ一台でやっています。それもある意味すごいと自分で思っています(笑)。

 加えて私は、20代でパニック障害を発症。現在は不安障害を抱えています。

 健康ですらなく、そんな自分をずっと「ないものだらけ」の人間だとコンプレックスに感じていました。

 いちばんの原因は、病気になったせいで、髪の毛の半分以上が白髪になってしまったことだと思います。20代後半という、これから恋愛もおしゃれも楽しみたい時に、「白髪の病人」になってしまったというのは、私の自己肯定感を大きく下げました。

 そこから、

「私なんてどうせできない」

「私には無理」

と下向きの人生が始まったのです。

 ・・・

 今はInstagramで日々発信をしていますが、「これならできるかも」と思って始めたわけではありません。ただ「楽しみたい」「やってみたい」という一心で続けているうちにご縁が広がり、できることが増えていっただけだと思っています。

 ・・・

 よく考えると、「どうせできない」というのは、できなくても当たり前だということですよね。だったら、「できたらラッキー」ですし、挑戦してみても損はしない、と考えることもできるのではないかと思ったのです。

 

P41

 ・・・いつもきれいな金髪と褒めてもらっていましたが、白髪を隠すためにブリーチをやっていたことを隠す、嘘をつく、ということがずっとつらくて……。本当のことが言いたい、と思うようになったのです。

 コロナ禍に手入れを怠ったことで、ブリーチした時に髪の毛が大量に切れてブリーチができない髪の毛に。

 そこでカミングアウトを決意したところ、思った以上に大きな反響があり、白髪の相談や病気の悩みなどたくさんのメッセージをいただくようになりました。

 その後、インフルエンサーとして活躍し始めてからは、日々投稿するキラキラしている自分とまだ完治していない自分のギャップも悩みになり、また病気の相談を受けたりしていたので黙っていることがどんどんつらくなり、2024年の7月には病気のこともカミングアウトしました。

 白髪を打ち明けた時も、病気について打ち明けた時も、私自身が「もう隠さなくていいんだ!」と気持ちがすごくラクになったのを覚えています。

 さらに、これまで以上に私の生き方や姿勢に共感してくださる方が増え、フォロアーさんもぐんぐん増えていきました。

 だから私が発信している内容は、フォロアーさんへのメッセージではありますが、過去の自分に話しかけているものでもあるな、と思っています。

 ・・・

 頑張っても変えられないことにしがみついたり、悩んだりしても仕方ない。それよりも、受け入れてプラスにとらえたら、楽しくなるしラクになっていくのではないか―。

 やっとそう思えるようになりました。

 

P75

 私は20代後半で病気を発症してから20年以上、一人で満足に外に出ることもできませんでした。

 とくに症状が重かった30代の頃は、ほとんど自分でも記憶がないくらいです。ともすれば人生を投げ出しそうになる自分に抗い、一日一日をただ生きていく。それだけに必死の毎日でした。

 長い時間をかけて断薬に成功しましたが、病気が完治したと喜んだ後でまさかの再発。

 その時は「断薬にも完治にも〝失敗〟した」と激しく落ち込みましたが、後から考えると、そこから得られたことも多くありました。

 たとえば、病気が再発する前は、とにかく100%完治と断薬を目指していました。薬を飲まないと不安で出かけられない場合は、「薬を飲まない」というほうを優先し、外出を断念したこともあります。

 でも再発してまた薬に頼ることになってからは、「薬を飲めば出かけられるなら、少し飲んでみよう」と思えるようになったのです。

 病気は決して失敗ではありません。

 私は人生で挫折やつまずきを感じて「失敗した」と思ってしまいましたが、今考えるとそれは間違いでした。

 仮に「失敗」したとしても、そこから気持ちを入れ替えたり、考えを変えたりすれば、時間が経ってから「あれはあれで、いい経験だった」と思えるようになるからです。

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 きっと、「失敗」が「失敗」で終わってしまうのは、自分自身を卑下したり、過ぎたことをただやみくもに後悔し続けたりしているからだと思います。

 私も、人生どん底の時期には自然と口角が下がり、世の中のすべてに後ろ向きになっていました。

 でも、そんなことをしても誰も幸せになどならないのです。

 当時、夫の殿ちんにはよく、

「口角、下がっているよ!」

 と言われていました。

 だから意識して、つまらなくても、苦しくても、笑顔で明るく楽しそうにしていたのですが、そうすると、本当に楽しく元気になっていったように思います。

 ただし!無理はいけません(私は無理をして悪化したこともあるので、これだけは強調してお伝えさせてください)。

 つまり私が言いたいのは、「失敗したと思っても、落ち込まなくていい」ということ。

 人生に、「失敗」なんてないのです。

 つまずいたと思うことからだって、学びや成長につながることはあるはず。私はそう信じています。