30名の方が、こんな方にこの料理本お勧め、と紹介している本。
何人もの方が取り上げていたのが「ミニマル料理」で、それぞれの紹介文の読み比べも面白かったです。
笠原将弘さん 料理初心者から上級者まで、全ての人へ
P12
この本は料理をいかにミニマルにするかという視点で書かれており、材料もプロセスもごくシンプルなレシピが載っているわけですが、近年の自分自身の料理テーマと共鳴している部分があり手に取りました。・・・
・・・単に「作業を省く」「手を抜く」ことになってしまっては、もちろんおいしさが表現されません。この本は、そのように「手を抜く」と「工程をそぎ落とす」の違いを見極めたい時に、大変気づきが多い本です。料理初心者にはもちろんおすすめなのですが、プロの方や、料理をある程度作ってきた人にとっても、新たな発見があると思います。
ちなみに、稲田さんの本は最近好きでこれ以外にもよく読んでいますが、なんとなく文章の感じから東海林さだおさんが好きなんじゃないかな?と思っていたら、まさにこの本に『ブタのまるかじり』に登場する料理が出てきました(笑)。
辻本力さん 料理の味がいまいち決まらずもやもやしている人へ
P200
著者の稲田さんが「その料理を料理たらしめているものは何か?」を探り、実験を重ね、最低限の肝となる部分を残したミニマルな家庭料理の数々が紹介されています。ある意味、稲田さんの料理哲学書とも言える一冊です。
・・・この本は、計量することが大前提とされていて、食材も調味料も誤差が出ないよう、塩、コショウですらも「少々」などと曖昧にせず、ほぼ全てグラム表記されている。最低限の食材で作っているだけに、食材の配合による総体的な味のバランスがとても重要ということを教えてくれているわけです。もっとも、使う食材は最低限なので、計量にあたっても作り手にそこまでの手間は感じさせません。
僕もこの本でかなりの品数を作りましたが、例えば「ザ・シチュー」なんて、材料はジャガイモ、タマネギ、豚バラ、塩、水、ベイリーフだけなのに、「どうしてこうなる?」と頭を抱えてしまうくらいうまいんですよ(笑)。タイトル通り、まさにミニマルな料理の理想形です。前書きに「家庭用調味料の味に、少々ウンザリしていた」と書かれていることにも共感しますし、食材自身のだしや塩以外の調味料なくして、この味が出せることに正直今でも驚いています。
・・・
「ミニマル料理は、到達点であり、また別の出発点でもあります」と書かれているように、いろいろ作って料理のおいしさの基本となる分量や調理法がなんとなくわかってきたら、レシピを飛び出して自分好みの味に変えていくこともできます。なので、今まで目分量で料理を作っていて、「いまいち味が決まらない……」と思っている人にぜひおすすめしたい。まずは一度、騙されたと思ってこのレシピに忠実に作ってみて、驚きのおいしさを体験してみてください。
大野里沙さん 基礎から家庭料理を学びたい人へ
P218
著者の稲田さんがSNSやメディアで発信される料理論や食にまつわるエピソードがおもしろくて、発売前からこの本が出るのを楽しみにしていました。家庭料理の入門書でありながら、一通りの定番料理を網羅して習得できるので、これから家庭料理を学びたい人にも、家族から教わる味以外を学びたい人にもぴったりだと思います。
家庭料理の本とは言え、食専門の出版社、柴田書店から出ているだけあって「専門書らしい読みごたえ」があります。そこに、使いやすさや初心者目線を大切にした「家庭料理書のよさ」が融合されているイメージで、当店の売り場でも他にないタイプの本ですね。先ほど話した専門書らしさとは、紹介されているそれぞれの料理の〝方程式〟となる基本形の1品を覚えれば、その基本形をアレンジすることでいかようにも展開形だけでなく、もう一歩進んでオリジナル料理を作れるようになると思います。
自分で作って特に感動したのは「ミニマル麻婆豆腐」。豆板醤を使わなくても、一味唐辛子、ネギ、豆腐、ひき肉、醤油だけできちんとおいしくなることと、レシピの再現性に驚きました。また、それぞれの料理のネーミングも楽しくて惹かれますね。例えば、牛のひき肉を押し固めて豪快に焼いた「学生ステーキ」とか、一つの具材だけしか使わないパスタ料理「だけスパ」とか、市販の鍋つゆを使わなくとも満足のおいしさの「必要充分鍋」とか(笑)。
松本直子さん 料理を始めたい人へ/料理を作らなくなってしまった人へ
P276
このレシピ本は、必要最小限の食材・工程で構成されていて、材料表記はグラムやパーセント、仕上がり総量の表記もあり、誰が作ってもおいしい料理が作れるような工夫がされています。・・・例えば、「30分チキン」という名前の料理。おもしろそうと興味を惹かれ、実際に作ってみると、「30分間フライパンで鶏肉を弱火で焼くだけ」という極めてシンプルなもの。実はこれは、フランス料理の伝統技法なのです。こういったプロの技や伝統技術がレシピの中にいくつも隠れているのも魅力の一つです。・・・
最初は計量が面倒だと思うかもしれませんが、一度その通りに作ってみると「おいしい」という成功体験を重ねられて、他のレシピも次々と作りたくなるはずです。きちんと計量をすることで必ずおいしくなると知った料理初心者の夫も、以前より楽しそうに料理をしています。・・・
もう一冊、「ご飯の炊き方を変えると人生が変わる」の紹介文を読んで、この本は読んでみたい、と思いました。
佐々木友紀さん 日頃、米を炊く全ての人へ
P242
私は、この本を読んで人生が変わった一人です。蓋つき鍋とガスコンロを使ってこの本の通りに米を炊けば、少量ならなんと9分半くらい、通常の量でもたった11分でご飯が食べられます。しかも、これが本当においしいんです。学校の家庭科の時間にもこの方法を教えたらいいと思うくらい(笑)。うちの店にもこの本を置いていて、興味のありそうなお客様にすすめると、購入した人たちはみなさん「人生が変わった」と言ってくださいます。
・・・変な話ではありますが、私はそのあまりのおいしさゆえに次第にご飯のおいしさにこだわるように。そして自分にとっての究極の米を探し、このやり方で炊飯したところ、大変すばらしいご飯が炊けました。そこまではよかたのですが、おいしすぎるご飯はおかずにあまり合わず、塩くらいしか合わない、ということがわかるところまで行きつきました。そしておいしすぎるので塩とご飯だけでいくらでも食べてしまう、ということに。つまり味や健康にこだわって始めたことのはずなのに、逆に栄養が偏って健康に大変悪いという事態にまで発展し、正直なところ、最高においしいご飯が最良ではないのかな、とも思うようになりました。・・・


