アメリカ南部の台所から

アメリカ南部の台所から

 著者がアメリカ生活で体験した、食にまつわること色々、へぇ~と思いながら読みました。

 

P146

 日本のシニアの方の外食事情を見てみると、肉や魚を召し上がる時でもあっさり系を選ばれることが多いようです。若い頃はこってり大盛りが常であっても、ある年代を境に胃痛や胃もたれが始まり、量や脂っこいものが食べられなくなり、あっさり傾向へシフトする方が多数派なのではないでしょうか。ではアメリカはどうでしょう?

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 毎週火曜日になると、フライドシュリンプが激安になるローカルに人気のシーフード料理店が近所にあるのですが、開店時間にはシニアの方が真っ先に訪れます。ファストフード店もよく利用されているようで、朝の時間にはシニアの方がグループで「今日のコーヒーは私のおごり」なんてやっているのが微笑ましく、私も無事シニア世代になれたらこんなことをやってみたいなと思っていました。人種の違いなのか、長年の肉食文化が胃を丈夫にしているのか、アメリカでも100歳以上のご長寿の方が増えてきたので、アメリカ型の食生活全てが悪いわけではなさそうです。・・・

 しかし、アメリカのシニアは、なぜあんなに肉類や揚げ物が平気なのだろう、胃薬の種類も胸焼け対応のものばかりで、日本に比べれば少ないしなあと思っていたら、先日衝撃の事実を知りました。なんと、アメリカだけでなく、ヨーロッパなど狩猟民族を祖先に持つ人種の方々は、そもそも胃の形と胃壁の厚さ自体が日本人と違うというのです。

 長らく食肉を(公式には)禁じられてきた歴史を持つ農耕民族の日本人は、穀物の消化に適した釣り針型の鉤状胃を持ち、胃壁が薄くて胃酸が少なめ。胃の働きもゆるやかなため、消化に時間がかかって胃痛や胃もたれが出やすい傾向にあるとのこと。ですが欧米人は、横に張り出した牛角型の胃を持ち、胃壁が厚くて胃酸も多め。胃の働きが活発なので、比較的短時間で食べ物を十二指腸に送り出します。そのため、胃に負担がかかりにくく、胃がんすら日本人に比べれば少ないのだそうです。その代わりに胸焼け症状が出やすいと知り、アメリカの胃薬事情に合点が行きました。

 

P164

 スナック菓子やシリアルなど、子どもの頃から色鮮やかな食べ物に囲まれているためか、老若男女問わず着色料にそれほどうるさくないのがアメリカです。・・・

 青色は食欲減退色であるといわれているので、日本では食品を青く色付けすることはあまり好まれませんが、アメリカでは真っ青なバタークリーム(フロスティング)をデコレーションに使ったバースデーケーキなどは特に珍しくありません。その話は英語圏では知られていないのかなと思い調べてみると、論文などでもちゃんとその旨が指摘されていたので、日本独自の考えではありませんでした。単に日本ほど気にされていないようで、約20年前には青いケチャップが販売されたこともあります(緑や紫も)。

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 近頃は、大量の着色料は子どもの健康に良くないかもしれないので、着色料をなくそうという運動がカリフォルニアを中心にあるようですが、世に出回っているもの全てをなくそうではなく、子ども向けの商品だけなので、大人は適用外なのねと成り行きを見守っています。

 なお、かき氷の青色のシロップというと、日本ではハワイアンブルーのあの味を想像しますが、アメリカでは青色のシロップにはラズベリーのフレーバーが定番で、ハワイアンブルーのイメージで食べると、舌と脳がびっくりします。