ニッポンのココロの教科書

ニッポンのココロの教科書

 日本人が大切に受け継いできた叡智から導き出す、幸せになれる法則ということで、いろんなお話が載っていました。結構知らないことがいっぱいありました。

 

P32

1月1日。お正月。

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日本人にとって、お正月とは、”あの人“が年に一度やってくる特別な日なのです。

でも、”あの人“は地図が読めない。だから道に迷いやすい。そこで目印が必要になります。そのために、お正月は青竹の門松を玄関に飾ります。なぜ「松」なのか?

あの人を「待つ!」。

待ち焦がれるその気持ちをかけているわけです(これホント!)。

・・・”あの人”とはいったい誰なのか。それは「年神様」と呼ばれる神様です。

そうなんです。日本のお正月とは、神様を家に招く行事だったのです。

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そして、門松を飾っておく期間”松の内”が終わり、鏡開きを終えて、お飾り物を燃やします。このときに年神様は、煙と一緒に神様の世界に帰っていくのです。お盆もそうですし、日本人は神様にしてもご先祖様にしても、「来ていただいて、帰っていただく」というのをワンセットとしています。神様に頼りすぎずに、ちゃんと自分たちの力で日々の生活を送るためです。

さて、実はここからがこの話で一番伝えたかったこと。

日本人にとって、お正月は神様とともに過ごす大切な時間なので、年が明ける前から、神様を迎えるために入念な準備をしてきました。

年末の大掃除の前から、その準備を始めます。

毎年、12月8日あたりから行われるのですが、それは何だと思いますか。

お世話になった人にお礼を述べることです。

神様に会う前に一番最初にすべきこと。

それは、お世話になった人へ「ありがとう」の気持ちを伝えることと日本人は考えたのです。

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実は、これがお歳暮の始まりです。

神様は目に見えない。

でも、人を通して働いてくれる。だから、人にお礼を述べるのです。お歳暮ってとても美しい日本人の習慣だったんです。

神様は、今、目の前にいる人の中にいます。

あなたに幸せを運んできてくれるのは、目に見えない何かではなく、人なのです。