バリア再建

心身養生のコツ

ヘミシンクを聴く時の、準備のプロセスに似ていたので興味深かったです。

また「レル」と「ラレル」の違いについて、なるほど~と思いました。

 

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 どのような技術にも光と影があるものです。感知の能力を高め、ことに『センサーとしてのからだ』が上達すると、周辺のあらゆる事物を感知して反応してしまい、心身が落ち着かなくなり安らぎの無い日々になります。わたくしたちは原始社会のような自然の中で暮らしているわけではありません。なのに、わたくしたちの「いのち」の基礎構造は原始社会の人々とほぼ同じです。・・・原始社会の人を現代に連れてきたらほどなく健康を損なうはずです。身近なところでは、都会の人は限界集落のあたりに行くと癒され、田舎の老人は都会に出ると疲れ果てます。「俺たちゃ街には住めないからに……」です。その影響から「いのち」を守るために、バリアが必要です。

 また『対人緊張』で苦しんでいる人を観察すると、本人を包むバリアが消えている・薄れている、ことに気がつき、ボク自身も「感じる」トレーニングが上達するにつれて、バリアが消えていることに気がつきました。そして、一般の人々は二重・三重のバリアに守られていることにも気がつきました。手前から「皮膚の表面」「体表から二センチほど離れて身体を包んでいる繭状の鞘」「体表面から二十五~三十センチ離れて身体を包んでいる」「さらにその外側百センチほど離れて身体を覆っている」の四層のバリアを感知できます。ご自身で掌を離れた位置から体表に近づけると、掌を妨げる「何か」として感知できます。寝転んでいるときには当然、床の下にまでバリアは及んでいます。『センサーとしてのからだ』を駆使した後は、バリアを再生してください。やり方は四層のバリアをイメージするだけでいいのです。掌で皮膚を撫でるようにするとそこに意識を向けることができます。それで皮膚の表面のバリアは完成します。二層・三層・四層目も掌で確かめる動作で意識を向けることができ、意識を向けるとバリアが完成します。・・・

 

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 『バリア再建』が上手くできたら、・・・次の段階は、四層のバリアの間に「気」を満たす作業です。これは気力の余裕があるときにしてください。骨格から「気」が溢れ出て、皮膚を突き抜けてバリア相互の間の空間に充満してゆくイメージです。最後には第四層の外側にまで気が溢れます。そうなると、四層のバリアの存在感が薄くなり、濃厚な『気に包まれた身体』のイメージが作れるようになります。立っているときは、足裏からの気は床の中に染みこんでいます。寝ているときは、背中の気はベッドの中に染みこんでいます。・・・この『気に包まれた身体』は守りの身体にとどまらず、対人場面で「和して同ぜず、圧倒されず」の機能を持ちます。・・・

 

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 口に出すことなく、こころの内で『ラレル』という呪文を唱える健康法です。・・・始めは椅子に腰掛けて、『バリア再建』の姿勢で、目を閉じ、宇宙からのニュートリノの滝が絶え間なくバリアを貫き、体の全細胞が貫かれていることをイメージします。これで準備がととのいましたので、『ラレル』を繰り返してください。声に出すことなく、こころの内で唱えるのです。自分の好きなリズムで繰り返してください。次第に身体の力が抜け、頭頂から緊張が解けて、続いて首・肩と上から下へほぐれが進んで行くのが感じ取れたら成功です。・・・これが体験できたら、寝転んでも、歩きながらでも同じことができます。脳天から足先へ向かってほぐれが進みます。

 以上のやり方をマスターしたら、次の段階として、『ラレル』の呪文は自分の身体を作っている個々の細胞すべての合唱だとイメージしてみてください。さらに進めて、『生体を包む気』の分子も合唱に参加しているとイメージしてください。これで完成です。

 途中で『あくび』が出るなら大成功です。心身に鬱積していた邪気が体外に出る動きです。

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 ・・・『ラレル』は特定の宗教に属さない祈りのコトバ、として開発しました。はじめは「帰依します」を思いつきましたが、「我」による選択・決意の雰囲気が強いのでやめました。次いで、受け身の姿勢の呪文化として「レル」を思いつきましたが、・・・次に『ラレル』をしてみると・・・滑らかです。恐らく「レル」には反発精神や被害体験の歴史の雰囲気が付着しているからでしょう。試みに『ラレル』のつく文言を思い浮かべてもらうと、受け入れの雰囲気が主で反発の雰囲気が少ないことに気づかれるでしょう。しかもこの受け入れには「いのちの裁量権」の参加が程よくあるのです。・・・