「プロフェッショナル 仕事の流儀」の番組から作られた本、何冊かまとめて読みました。
いろんな方がいて、いろんなお役目があって、ほんとに人生色々だなぁと。。。
こちらは誰もやってない、新しいことをした方々の言葉です。
再生医療の研究者、岡野光夫さん。
P125
「・・・世界初のことに挑戦するのに技術的な壁がいくつもあり、難しかった。壁が非常に多かった時期です。失敗もたくさんした。本当に大変でした」
そんなとき、岡野さんは、ある書物のなかの一節に目をとめた。
歴史作家・宮城谷昌光の小説のなかで紹介されていた、中国・戦国時代の思想家・荀子の言葉である。
高山登らざれば、天の高さを知らざるなり
「なるほどと思いましてね。高い山に登らなければ、天の高さはわからない。一歩でも高いところに上がって、少しでも高いところから風景を見よう。そうすれば、これまでと違う風景が見えるはずだ。そう自分を励ましました」
それからまもなく、岡野さんは細胞シートの研究をやり続けた結果として、「試作品」を作るところまでこぎつけた。しかし、これまでにない全く新しい医療技術であるため、手を組んでくれる医師がなかなか現れない。共同研究していた企業も、将来性がないと撤退した。それでも岡野さんは走り続けた。
「新しいことは現状の考えの破壊を伴うんです。だから衝突する。だから、苦しい。でも挫けないで前に進もうとイメージしました。つねに前に進めば今は見えないものも見えるようになる。このイメージを持ち続けよう。登ることをやめると、何も見えなくなりますからね」
大きな成果が生まれたのは、細胞シートが生まれて一三年目の二〇〇二年だった。
チーズ農家の吉田全作さん
P48
「自分の思ったことを実現するためには、いろんな道がありますよね。簡単そうに見える道とか、しんどそうな道とか。そのときは、必ず面倒くさいほうを選ぶんです。そうすると必ず成功しますから。面倒くさいことは誰もしないし、面倒くさい道のほうにヒントが転がってると、経験的に学んでいるので」
ロボット研究をしている山海嘉之さん
P66
世界初のサイボーグ型ロボットを生み出すまでの道のりは、困難の連続だった。世界で誰も歩んだことのない道。当然、研究の過程では数えきれないほどの困難が生じる。
そんなとき、山海さんは何度も深くため息をつくことがあった。ある日、そんな姿を見かねた妻に「そのため息は、いつか自分に返ってくるわよ」と忠告された。このため息を力に変えることはできないか。そんなとき、生み出した言葉がある。
スパイシー
「はて困ったなと思うときもあります。でも、そういうときは、それすら人生の調味料という気持ちで、『スパイシー』と叫びながら次にまた歩んでいく。どんなにつらいことがあっても、後から考えれば、それは人生の財産となる。ピリリと辛い人生の調味料なんです。これも効きますなぁ、ピリッとしますなぁ、という感覚です。そういう考え方が、私の源になっています」