自分が自由に動けるように

考えないヒント―アイデアはこうして生まれる (幻冬舎新書)

 自由に動ける状態で日々生きられたら、ほんとうに素晴らしい、ありがたいことだと思います。

 そしてこの考え方、ちきりんさんのお母さんもそうだったなと思い出しました。

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P53

 今はほんとうにたくさんのプロジェクトが同時進行しています。

 そんなにたくさんの仕事を抱えて、どうするんだって思われるかもしれないけれど、僕は常に何かを抱えていないと、かえって落ち着かない。

 ・・・逆に課題がないと寂しい。むしろ、それが生きている喜びなんです。

 ・・・僕は毎朝五時とか六時には起きています。それも目覚まし時計は一切使わない。

 早起きには二つパターンがあります。一つは急ぎの原稿を書かなきゃ、というときに早く目が覚めます。もう一つは、「ああ、今日もいろいろ楽しい仕事がたくさんあるな」と、ワクワクして寝ていられなくなって、目が覚めてしまう。

 ほとんどは後者で、僕は、毎日が小学生の遠足の朝気分です。

 ・・・

 ・・・していることはたしかに仕事なんだけれど、もっと楽しいことなので仕事と呼ぶのはちょっと違う、そんな感じが常にあります。

 仕事イコール「仕える事」ですよね。僕は自分がやりたいからやるだけであって、誰かに仕えてやっているわけじゃない。「自分がしたい事」、つまりは「志事」や「私事」なんです。だからあまりプレッシャーを感じることなく、いつも楽しんでいられるのかもしれません。

 そのような、誰かに仕えなくてもいい環境は、自分でつくってきた面もあります。

 昔、テレビの仕事だけやっているときは、僕にも「仕える」感がありました。・・・組織の歯車になって、自分のパートをこなさなきゃいけないということを考えた途端に、すごく窮屈に感じてしまうんです。常に周りに合わせた動きをしなきゃいけない、それがすごくストレスでした。

 だから、なるべくそういう仕事はしないように、自分が自由に動ける仕事だけをするようになった。表面的には仕事を狭めることになりましたが、それが逆によかったんだと思います。

 ・・・

「ここで断っちゃったら次の仕事が来ないかも」というのは、確かに不安かもしれません。

 でも僕は、自分の選択した先に一番いい未来があると思っている。自分のやりたいことを主張したために仕事がなくなってしまったとしても、「きっとあそこで仕事がなくならなかったとしたらすごくハードワークになって、病気して倒れてたんだ」と思う。仕事がなくなったらなくなったで、「ああ、よかった」と思えるんです。