手首から先の運動は脳にいいそうです。神田橋先生の本、久しぶりにまた読もうと思いました。
P148
こいつの本読めないって言われ続けたい。書いてあることはわかるけど、意味がまったくわからない、ってのが一番やばいんじゃないか。日本語なのに英語としか思えないとか。それがプルーストが言ったことだからね。「美しい書物は一種の外国語で書かれている」(「サント=ブーヴに反論する」)と。でもポップカルチャーは入れていく。トマス・ピンチョンのイメージ。僕は、ピンチョンのような本を書きたい。全然本が読めないのに、よく言うよね。でもそう感じてるのも確か。なんだこれ、全部意味わかるけど、全体通して意味わかんないっていう本。一応、自分としては、見えるままに書いているつもりなんだけどね。読んだら、読者の目には浮かんでるはず。自分でも意味はわからない。書いて意味を作ろうともしてないし、そこで言いたいことも何もない。自分のメッセージみたいなものは元から少ないんだろうけど、今は完全になくなってるのかも。ただ書きたい、っていうのはあるみたい。苦しいから、書くしかないってことでもあるんだけど。書いている間は、別の現実の中にいて息ができてるみたいだから。
P263
僕がすすめている、書く、料理する、編みものするとかいう「手首から先の運動」は、もともと神田橋條治っていう精神科医が推奨してたことのパクリなの。
人間の脳は直立して手首から先を使うようになってから発達したので、手首から先を複雑に使うような仕事は健康にいいし脳を発達させるんです。で、どんな作業があるかね、っていうと、ほとんど家事なんです。 神田橋條治ほか『発達障害は治りますか?』(花風社)
もとは芸術運動とかじゃなくて、健康のためのもの。神田橋さんは、みんなの健康のために、薬を飲まないで、とにかくなんでも、健康のためにいいことを考えてる。異端扱いされているけど、ただの賢い人だと思う。・・・精神病自体が謎で、なんだかわかんないんだから、なんでもやってみようとするほうがいいじゃん。