まえがきにはこのように書かれていました。
P2
私の人生は絶えず変化しています。変化し続ける運命なのかもしれません。そんな中で、どんなときでも自分らしくいることが、私にはいちばん大事なことでした。
誰かのまねや、社会の要求に合わせた生き方をすると、どうしても心が弱くなります。
どんな状況でも自分らしくあり続ける。その一点で人はとても強くなれるものです。
私の力はいつも今の私であることだったし、今の私であることだと思います。
このメッセージも印象に残りました。
P13
以前、ベネチア・ビエンナーレという美術展に招かれたとき、大勢の偉い芸術家の方たちと一緒にレストランで食事をすることになりました。
「ヨーコさん、どうぞ真ん中へ」
でも、私は、隅っこに座らせてもらいますと言いました。隅に座るほうがよく観察できるからです。
中心に座ってしまうと人は私のことを見ることができますが、私はみんなを見ることができない。だから、
「隅に座らせてください」
と言ったのです。
中心ではなく隅っこにいる。そうすると、いろんなことが見えてくるんです。
私は片隅に座って過ごしてきたために生きながらえた女だと思っています。
・・・
・・・隅に座って過ごしてきた人生の強さというものが、私を支えていると思っています。今では心の中で、世界の隅っこに座って人間社会の出来事を観察している自分の強さを感じます。
どこに座るかということに神経を使ってください。
家庭では、これが自分の椅子でここが自分の座り場所だと決めているところがあるでしょう。それは自分の座り場所であるだけでなく、家庭での自分の立場を表現しているのです。
それは、あなたにとって楽な座り場所でしょうか。自分にとっていちばん楽な場所、コンフォート・ゾーンがあなたの座り場所だとしたら、それは、あなたにとってとても大事な居場所です。
・・・
・・・その座るところをちょっと変えてみるのもいいのです。
そうすると、今まで気がつかなかったいろいろなことがわかってきます。そして、また、自分の椅子に戻ると新たな力が出てくるでしょう。
よく人は、人生の改革というと、すごく大きなことをしなくてはならないように思いがちです。でも、座っている位置をちょっと変えるだけで、ものの見方が変わり、あなたの人生を改革することができるのです。
・・・
どこに座るか。西に向かって座るか、東に向かって座るか。本棚を背にして座るか、それとも本棚に向かって座るか。おもしろい元気なポスター、または大事なメッセージ・ポスターが貼ってある壁を後ろに背負って座るか、それともそのポスターに向かって座るか。
それによってあなたの一日が、そして、あなたの人生が違ってくるでしょう。