上原浩治さんの本を読みました。スポーツ選手が結果を出すために、自分の体と心をどれだけ知り抜いているかというのは、こんなに大切な事なんだなと、改めて知りました。逆に結果がついてまわるからこそ、自分をとことん知る経験がたくさんできるのかとも。
自分にもとても参考になるなと・・・瞑想も、目指すところは、どこまで自分を知ることができるか、それは宇宙を知るとか、この世界を知るとかにつながりますが、それがどこまで広がるかによって、可能性も広がっていくのだよなぁと思いました。
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投球フォームや打撃フォーム、トレーニングの仕方、試合への気持ちの持って行き方……どれも、選手によって違うだろう。
全員に当てはまる正解は、少なくとも野球には存在しない―そう再三指摘してきた。
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でも、その「正解」がないのであれば、自分なりの「正解」を得る方法から探し始めなければいけないのだ。
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では、この自分なりの「正解」を見つけるために必要なことは何かと言われれば、何よりまず「自分を知る」ということである。
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身体的なこと。例えば、どこの筋肉が強く、またケガしやすい箇所はどこか。
精神的なこと。例えば、どうすればテンション高く試合に持っていけるか、またどういうときに動揺しやすいか。
心技体すべてにおいて、自分を知らない限りは、「正解」までの道順すらわからないことになる。
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自分を知ることができれば、何をすべきか、どう行動すべきかという自分なりの「正解」が見えてくるようになる。逆に言えば、自分を知ろうとすることなく、または知ることなく、いくら練習を続けても、成長のスピード、目標を達成するまでのロスが多くなってしまう、というわけだ。
「自分を知る」ためにはどうすればいいのか。
僕自身の経験で言えば、例えば「自分の体を知る」ことができたのは、ケガが多かったことが大きかった。
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・・・効果があると聞けばなんでも試すようにしていた。これまで試した方法を挙げればキリがない。
サプリメント、プロテイン、水素水、酸素カプセル……少しでもいいコンディションでマウンドに上がれるよう、それを試したあとの体の反応、調子を見極めるようにした。・・・
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こうして振り返ってみれば、「自分の体を知れた」のは、ケガというきっかけを経て、それをよくするためになんでも試してみた、やってみたからだろう。
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・・・「経験」してみることによって、自分の感覚、体の反応を見ることが大事であったわけだ。自分を知るためにも、「経験」をしてみることは大事だと思う。
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・・・「あの人がやってるから」「勧められたから」といって、やっているだけでは、「自分なりの正解」に辿り着けない。きっかけはそうでもいいが、その中で、本当に自分に合っているのか、自分にとっての「正解」なのか、ということに敏感にならなければいけない。
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「自分を知る」ためにもうひとつ重要だと思うのが、人に聞く、他人を知るということである。
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・・・工藤さんから何か盗めることがないかと、練習での一挙手一投足を追った。工藤さんがブルペンに入る、と聞けば、ブルペンに飛んで行った。工藤さんが投げているマウンドの横で、正座をして股関節や、着地の場所を見続けた。
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他にも、桑田(真澄)さんなど先輩ピッチャーから話を聞かせてもらったし、カブス時代にはダルにも教えを請うた。ダルのカットボールは僕のカットボールに比べて質が高く、メジャーのバッターですら打ちあぐねている印象だった。その秘密を少しでも知りたい、と思い握り方や、リリースのときの感覚、そして外から見たフォーム……と、ダルを知ろうと努めた。
そうやって、人を見る、知ると、必ず自分と比較するようになる。
すると、自分と違うところ、同じところ……さまざまなものが見えてくる。教えてもらったことが身になったことはもちろんのこと、「自分を知る」ための大きなヒントになった。