蒼い炎

 フィギュアスケート、テレビでやっていれば、すごいきれい、と好きで見ていましたが、最近改めて羽生結弦さんの演技の美しさにびっくりしました。

 YouTubeで何か見ていた時に、この動画が上がってきたのです。


【世界最高得点!】羽生結弦選手<男子ショートプログラム/四大陸フィギュアスケート選手権2020 in 韓国>ノーカット配信

 ・・・で、びっくりして、いったいどういう方なのだろうと、色々本を読んでみました。

 まず、イメージの力がものすごいのだなと知りました。元柔道家松本薫さんも、試合のときに自分が見えるって言ってましたが、そういうのにも近いのかもしれません。表現を読んでたら長嶋茂雄さんにも近いような。

 

蒼い炎

 

P63

 ・・・しばらく悩まされたのが、震災当時の記憶です。ふだんから僕は『イメージする』ことを大事にしていて、ジャンプを跳ぶ時もイメージトレーニングをかなり重視しています。調子がいい時には、自分が跳ぶ瞬間のフォームが、跳びながら3Dで見えるんですよ。『あ、今、ここが曲がってたから、ちょっと直そう』って自分でわかる。本当に調子がいい時は、360度、視界がすべて見えるんです。そんなことをいつもしていたから……地震の瞬間の光景も、全部見えてしまって、全部覚えてしまった。巧君にしがみついていただけだったのに、なぜか全部見えるんです。・・・

 あまりにも地震の印象が強すぎたことと、いつもイメージトレーニングする習慣があったことが、つながってしまったんですね。・・・最初の3日間くらいは、何回もうなされた。・・・いやいや、もう大丈夫ですよ(笑)。でもとにかく、怖かったです

 

P98

 試合で4回転を跳ぶこと。自分にはまだ、しっかりした自信がない。・・・

 ・・・ホテルから試合会場までのバスの中でも、ずーっとビデオを見たりイメトレをしたりしてた。よかった試合の自分のジャンプを、イメージにドンッと入れておいたんです。一番理想とする4回転のイメージと、ビデオで見た自分の4回転のイメージ、この二つをぶわあっと重ねて、ピタっと合わせて、本番ではそこに意識をシュッと持って行った。それで今回は、ショートもフリーも4回転、成功できたんです。もちろん不安はあったけれど、演技に入っちゃえば、そんな不安はもう関係なくなった。今回の試合、4回転だけは、すごく高い集中力で臨めたと思います。