こういう言葉を聞くと、私っていつからそういうのを楽しめなくなったんだ?と不思議な気持ちになります。
清水ミチコさんとの対談です。
今書き写しながら、道と未知が同じ音であることに、ちょっとハッとしました。
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清水 ・・・たしか小さい頃に、道に迷っても「大丈夫だ」って思ったっていう話がありましたよね?
矢野 それははっきり憶えてますね。たぶん4歳か5歳くらいだったと思うんですけど。青森でいとこのバレエスクールに付いていって、結局、ひとりで帰ることになって。いとこに「ここから帰れるよね?」って言われて「うん、大丈夫」って言ったのに全然道がわかんない。だけど、それがすごくうれしくて(笑)。水色のジャンパーを着てたと思うんですけど、それを小林旭のように肩にかけて(笑)。松木屋っていうデパートがあったんですけど、子どもだからデパートが巨大に見えて、そこの交差点で「さあー、どこへ行こうかなあ」って思った、そのワクワクした気持ちが忘れられない。
清水 怖くないんですね。ワクワクなんだ。
矢野 ワクワクです。大好きなの。道に迷うことが大好き。知らない道っていうのは、いまだに大好き。クルマでも、今はみなさんGPSでしょうけど、アメリカでも全部地図で走っていたので、途中で「あれ?」みたいなことになる。そうするともう「さあー、どこへ行こうかしら」みたいな(笑)。
清水 すごーい。今もそうなんだ。
矢野 これ、なんなんでしょうね?放浪癖?
清水 まあ、変わってますけど(笑)。
矢野 やっぱり即興性なんじゃないかなって思ったり。うまく言えばですけど(笑)。悪く言えば、行き当たりばったり。決められてないことが好きなんですね。
清水 状況に臨機応変に対応する。うまく言えば。冒険心もあるんですかね?だって宇宙旅行も、もしチャンスがあったら本当に行ってみたいって。
矢野 行きたいですね。ラクして。訓練なしで行きたい(笑)。