きつさを冷静に見る

走って、悩んで、見つけたこと。

 マラソンランナー、大迫傑さんの本を読みました。

 ここまでストイックな方だったとはびっくり・・・さすがプロは違うと唸ってしまいます。

 でも私にも参考になるなと思うところもありました。

 

P75

 極端なことを言えば、1本1本、一瞬一瞬が大事。例えば、練習で200mを20本走るとします。このとき20本を走ると考えるのではなく、この1本、この200mをどう走るのかということを考えて、それを20回積み重ねる。このとき、1本1本のきつさがどこからくるものなのか、きつさを分割していくことも重視しています。足がきついなら、足のどこがきついのか、さらにその部分のどこがきついのか、それは我慢できるきつさなのかと掘り下げていく。すべてをただ〝きつい〟と一緒くたにしてしまうと、フォームが乱れてしまったり、本当は足がきついのに呼吸が辛いと思い込んでしまったり、我慢できないきつさだと感じてしまいがちです。心拍数にはある程度限界はあります。だから心拍数さえ上がらなければ、足は攣りそうになっても意外とそのまま走れるものです。きつさを分割することで、今の状況を冷静に判別する。練習においても、きつさにおいても〝今〟に集中して考えるということは、レースにおいてもすごく重要になってきます。そして、そうやって瞬間瞬間を大事にトレーニングしていると、毎日毎日自分に勝つことに対しての価値を見出せるようにもなるんです。

 マラソンにおいてはきつい瞬間があっても、そのあとに楽になる瞬間が絶対にあります。それを知っているから、きついことにも対応できる。きついと感じたら、今に集中して、その状況を冷静に判断して対応していく。もしかしたら、その先もずっときついかもしれませんが、楽な瞬間がすぐに来るかもしれない。きついな、嫌だなというネガティブな感情も〝自分って嫌だと思っているんだな〟と自分で受け入れて理解をすると、対応の仕方が分かるようになります。逆に気づかないと全部、きつい、辛いで終わってしまって、注意力が散漫になりやすい。なるべく冷静でいる時間を長くしようと努力するだけで、その辛さは変わってきます。だから、とりあえず先を考えずに、楽なことやポジティブなことを考えて、今にちゃんと集中することが重要です。