天才たちの日課

 

天才たちの日課  クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々

 こんな生活してた人いたんだ~とか、あの作品作った人にこんな習慣あったんだ~とか、いっぱい「へぇ~」が出てくる本でした。

 こちらは、体が丈夫過ぎませんか?とびっくりした人たちです。周りの人、大変だったでしょうね( ̄▽ ̄;)

 

P23

 アイルランド生まれの画家ベーコンは、・・・睡眠薬にたより、ベッドに入る前には、リラックスのために古い料理本を繰り返し読んだ。それでも一晩に二、三時間しか眠れない。にもかかわらず、体はいたって健康で丈夫だった。運動はカンバスの前を行ったり来たりするのみで、ベーコンの考える健康によい食生活とは、ニンニク入りのサプリメントを大量にのみ、卵黄とデザートとコーヒーを控えることだった。そのいっぽうで、一日にワイン六本、レストランでの豪華な食事を二回以上という暴飲暴食は続けた。それでも、ベーコンの体は過剰に摂取された食物をうまく処理することができたらしく、頭がぼけることも、ウエストが太くなることもなかった(さすがに晩年は飲みすぎのつけが体に出るようになったが)。たまに二日酔いになったりしても、それをありがたいと考えた。「二日酔いのときに仕事をするのは好きだ」とベーコンはいっている。「そういうときは頭にエネルギーが満ちて、思考が冴えわたる」 

 

P77

「基本的に、僕はなんでも楽しむんだ。退屈することがない」一九四一年、画家のマティスは・・・自分の仕事ぶりについて語った。

 なぜ退屈しないかは、もうわかっただろう?僕はいままで五十年以上ものあいだ、ひと時も休まず仕事をしてきた。・・・モデルの一人はこういったよ。「でもマティスさん、こんなことがもう何カ月も続いていて、あたしは午後に半日休んだことさえないのよ」。かわいそうに!彼女らには理解できないんだ。それでも、僕はモデルたちに恋人がいるからというだけで、自分の日曜日を無駄にするわけにはいかない。

 

P116

 有名な文化人類学者マーガレット・ミードは仕事の虫で、いつも仕事をしていた。じっさい、仕事をしていないと、いらいらして落ち着きがなくなるようだった。かつて、二週間のシンポジウムの期間中に、ある日の午前の部が延期されたと知り、かんかんに怒った。「なぜ事前に知らせてくれなかったの?」ミードはいった。「この時間があれば、どれだけのことができたことか。私は毎朝五時に起きて、朝食までに千語書いているのよ。スケジュールが変更されたと知らせるくらいの礼儀をわきまえた人間が一人もいないなんて信じられない」。また、若い同僚とのブレックファスト・ミーティングを、午前五時に決めることも多かった。「だらだらしていると、時間はどんどん過ぎていく」ミードはそういっている。「そんなのがまんできないわ」