佐藤愛子さん

そもそもこの世を生きるとは―佐藤愛子の箴言集〈2〉

 スピリチュアルな世界に興味を持つきっかけになった佐藤愛子さんの、箴言集を読みました。勢いがあるというか、前進のみというか、すごいなぁと思います。

 

P25

 私はしばしばヤケクソになります。

 エイ!メンドくさい!が私の人生を作ったような気がします。メンドくさい!と後先考えずに踏み越えようとするために、波瀾が更に波瀾を呼ぶという具合(こういう場合、人は「波瀾」といわずに「悲劇」とか「不幸」という言葉を使います。しかし私は悲劇とも不幸とも思っていないので、どちらにしても波瀾という言葉を使ってしまうのです)。 『冬子の兵法 愛子の忍法』

 

P45

「佐藤さん、苦しいことがきた時に、そこから逃げようとするともっと苦しくなりますよ。いっそ苦しいことの中に座りこんでそれを受け止める、その方がらくなんですよ」

 ・・・

 その言葉が私の人生を決めた。その方が「らく」という言葉に、恰も溺れる者が、投げられた浮袋に取りつくように、忽ち私は縋った。

 誇張ではない。私の人生はその言葉から始まったのだ。

 ・・・

 苦しんでいない時は、どんなによい言葉も素通りして、猫に小判になってしまう。苦しんで、求めている時に出会った言葉は身体の奥の奥まで染み込むものなのだ。 『日本人の一大事』