遺伝子はダメなあなたを愛してる

遺伝子はダメなあなたを愛してる (朝日文庫)

なんだかそう言われるとホッとするような(;^_^Aタイトルの本を読みました。

へぇ~っと口に出てしまう、知らないことがたくさん載ってました。

これは無洗米がどうやってできるかというお話です。

 

P115

 そもそもお米を洗う、とはどのような意味を持っているのでしょうか。それにはイネの構造を知る必要があります。イネの実は、もみ殻に包まれて稲穂についています。お米を食べられる状態にするためには、まず茎からもみを外し(脱穀)、それからもみ殻を取らなければなりません(脱ぷ)。もみは細かく、数が多いので、人類の農業技術史は、脱穀と脱ぷの歴史でもあります。櫛状の歯のあいだを通すことで、稲穂からもみを外し、2枚の板のあいだでこすり合わせることでもみ殻を外します。機械化が進んだ今でもこの原理が使われています。

 こうして得られたものが玄米です。イネ科植物の実は、穎果という構造をしています。玄米は果皮が種子と密着して一体化しています。このまま炊くとぼそぼそになり、匂いも残ります。そこで果皮を削り取って食べる習慣が生まれました。精米です。一種の研磨工程で、削りかすが糠です。

 これで晴れて白米となりますが、その表面にはどうしても若干の糠が付着したままとなります(肌糠)。そのために何回かお米をとぎ洗いしなければならないわけです。そんなとき知恵者が現れて無洗米を考案したのでした。その方法とは?

 コロンブスの卵とはこのことで、なんと白米を糠で洗うのです。糠には粘着性があり、お米表面の肌糠をぬぐう力があるのです。ちょうどセロハンテープのはがし残しをセロハンテープできれいにするようなもの。賢いですよね。