時代でこうも違うとは

世界の辺境とハードボイルド室町時代 (集英社文庫)

 同性愛が男らしさの表れだったとは…時代によって色々だな、今の時点での一般的な見方なんてあてにならないな~と思いました。

 

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清水 江戸時代の元禄年間が日本の歴史のターニングポイントだったという話をしましたよね。ひげがなくなるのはまさにその頃で、もう一つの傾向としては、同性愛文化がすたれていくんですよ。もちろん、アンダーグラウンドな世界では残るんですが、趣味としておおっぴらに同性愛を楽しむ風潮がなくなってきますよね。なぜかというと、もともとは同性愛もひげと同じで、男らしさの表れだったんですね。

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 なよっとした感じのものではなくて、「女なんかとつるんでいられるか」というような感じの。

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 同性愛は戦国の文化なんですよね。もちろんそれ以前に寺院社会などでは一般的だったんですが、戦国になると過酷な社会を生き抜いていくには、女をはべらせてなんかいられない。信頼できる男だけで周囲を固めておく方がいいというマッチョな価値観なんですよ。

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 本当に信頼できる部下を身の周りに配置するのが一番安全だし、その部下と肉体的な関係まで結んでしまえば、絆がより強固になるという。

高野 だって、女がいたら守らなきゃいけなくて、大変な手間だけど、男だったら自分を守ってくれるわけだし。

清水 仲間として一緒に戦えるわけですよね。合理的ですよね。