スターになるための練習

わいたこら。 ――人生を超ポジティブに生きる僕の方法

このあたりの考え方も、いいな〜♪と思いました。

P76
 ・・・僕は努力をアピールするために練習するつもりはなかった。
 常に「スター」になるための練習をしていたから。
 ・・・
 ・・・必死な様子は誰にも見せたくなかった。
 練習なんか全然していないフリをして、試合になったらあっけらかんとホームランを打つ。
「あ、入っちゃった」みたいな顔をする。
 みんなから「こいつ天才だ」と言われる。
 それが、僕にとっての理想のスターの姿だった。
 〝努力したアピール〝なんて格好悪いと思ってたから、当時は黙っていたけど、今なら素直に言える。才能も大事だけど、努力も大事。
 好きなことはとことん努力すべき。才能に恵まれて、必死で努力して、そうしてやっと一流になれるのがプロの世界っていうことだ。

P90
 当時の僕は、タイガースから「残ってほしい」と言われるくらいに価値を認められていた。
 球団に「FAします!」と宣言した後で、提示された金額が5年で12億円。
 ・・・
 メジャーへの挑戦。
 アメリカでスターになれば、日本どころじゃなく、世界レベルのスターになれる。僕がほしかったのは12億円じゃなくて、アメリカンドリームだ。
 ピッチャーでは野茂(英雄)さんという成功例があったけど、野手ではまだ誰もチャレンジしていなかった。・・・
 ・・・
 アメリカに行っても、気持ちは全然折れなかった。
 たしかにメジャーのレベルは想像以上だった。ピッチャーは「こんなの人間が打てるんだろうか」と思うような球を投げる。
 体のつくりからして、もう全然違っていて、最初のキャンプで大男に囲まれたとき「俺ってつまようじみたい」と思った。
 練習中に素振りをしていると、・・・監督からこう言われた。
「おい、シンジョー。お前、ウォーミングアップはもういいよ。そろそろ本気出していいんだぞ」
 ・・・
 僕の全力のスイングが、ただのウォーミングアップに見えてしまうなんて!
 正直アセったけど、本気を出すしかない環境に、めちゃくちゃ興奮した。本気でやるのは気持ちいい。
 そんなこんなも含めて僕は、すべてを楽しんでいた。「スターはこういう逆境を経験しなくちゃ」と思っていた。
 ・・・
 大事なのは、成功する前から成功すると「決める」ことだ。