沖縄時間

沖縄時間―本物のスローライフの見つけ方

図書館の本棚でなんとなく目にとまって読んでみました。
気持ちがゆるんでいい感じです。
ウチナーグチ(沖縄語)に、『ククル、ヤシヤシ』という言葉があります。これは『心、やすらか』という意味」
と書いてあるところがあって、「ククル、ヤシヤシ」って音がなんだかいいな〜と思いました。

こちらはマンガみたいなお話ですが…

P64
 あるオジィが病に倒れ、いよいよもう危ないということになりました。家族や親戚が枕元に集まる中、オジィは最後の力をふりしぼって息子に封筒を手渡しました。
「この手紙は、おまえが仕事に失敗してにっちもさっちもいかなくなった時に開けなさい」
 オジィはそれだけいうと、安心したようにそのまま静かに息を引き取りました。
 数年後、息子は本当に仕事に行き詰ってしまいます。そして、思い悩んだ挙句にオジィの手紙を開いてみることにしたのです。
 白い便せんをそっと開いてみると、そこには一言こう書かれてありました。
「ナンクルナイサァ」
 フフフ……、なんともほのぼのとしていて、おかしなお話じゃありませんか。
 この言葉があらわしているのは、ウチナーンチュの明るく楽天的な気性だけではありません。
 たとえば誰かが落ち込んでいる時、ウチナーンチュは「ナンクルナイサァ」と静かに声をかけてくれます。決してお気楽で無責任な「マッ、いいじゃん。明日があるさ」というようなニュアンスではありません。
 人を許すというのでしょうか。人間、いい時も悪い時もあるのだから、あまり自分を責めてはいけない。またがんばればいいじゃないか。そんな思いを感じさせます。