対談集

女性に必要な12の力

齋藤孝さんと素敵な方々との対談集、10年ちょっと前に出版された本ですが、面白かったです。
こちらは黒柳徹子さんとのお話。
なるほどでした。
そしてスクワット、森光子さんも朝夕70回ずつやっていたそうですし、これ結構確実な健康法では。

P16
黒柳 一度だけね、お医者様にお世話になったんです。NHKの専属女優に合格して、やがてすごく多忙になって、過労で倒れちゃって。・・・少し考えなきゃと思ったんです。
 ・・・
 結局一カ月ほど入院したんですが、お医者様がとってもいい方、名医だったのね。それで「死ぬまで病気しないですむには、どうやったらいいんですか?」って聞いたんです。

齋藤 はぁ、それはずいぶん斬新な問いかけですね。

黒柳 お医者様にも「それは非常に珍しい質問だ」と言われました。でも、ひとつだけありますよって。

齋藤 それは?

黒柳 「好きなことだけをやって生きなさい」。それで、明日お芝居を観て、明後日お買い物に行って、その次の日はピクニック、なんてお金はありませんと言ったら、「誰がそんなに遊んでいいと言いましたか」って叱られて。「自分から進んでやれる仕事を選んでおやんなさい。肉体だけの疲れなら一晩眠れば治る。でも、嫌だなぁと思っていると、治るものも治らない」と。今思えば、そのときの原因もストレスですよね。四十五年前くらいの話ですから、ストレスという言葉も使われてなかったんですが。

齋藤 それから、仕事のやり方は実際に変えられたんですか。

黒柳 お医者様は「そうは言っても、なかなかできないんだよね」ともおっしゃったの。でもね、マネージャーとも話して、自分から進んでやりたい仕事を選ぼうと考えたんですね。どれだけ忙しくても、自分が好きでやってる分には疲れないはずだって。ただ、人間ってなかなかそう上手くいかないこともありますね。少しばかり嫌だななんて思ってやる仕事もなくはない。でも、こことここが好きだから自分で決めたんだと自分を少々だましてでもやりました。だから大変でも、苦労とは思わない。あとはちゃんと睡眠をとる。そのおかげで、まったく疲れない。みんなに、疲れるのってどういう感じなのって聞くでしょ。そしたら、「そんな人と口もききたくない」って。

齋藤 はははは。そういう意味では、確かに黒柳さんはいつもお元気ですね。

黒柳 好きなことをさせていただいているからでしょうね。スポーツジムにもエステにも行ったことがないんです。まぁ、自慢にもならないですけど。ただ、ジャイアント馬場さんのお言いつけだけは守ってるんです。
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 ・・・百歳まで舞台に立ちたいそうですね、っておっしゃって。「だったら、ヒンズースクワットを三十回から五十回、そして自宅の二階に上がるのを二回、それだけでいいからやってください、ただし毎日。・・・」とおっしゃったの。・・・遺言のように守って毎日やってるんです。アフガニスタンの停電の最中でもやってたって有名になったぐらい。それ以外には特に何も。・・・