フィンドホーン

フィンドホーンの魔法

先日フィンドホーンの話が出て、なんとなくは知っているものの、詳しく知りたくなってこの本を読んでみました。

ここは、引き寄せについてのお話です。

P46
 ピーターは次のように説明した。
「私は一年間というもの、温室を求めていました。どうしても温室を持たなくてはならないとわかっていたのです。アイリーンが、先に、温室を持つべきだという強い啓示を受けていました。ですから、どうして温室を持つことができないでいるのか、私にはまったく理解できませんでした」
 十時の見学ツアーである。ピーターは聖堂の隣にある建ててからもう七年たったその温室を指差していた。彼はどうしても理解できなかったというのだ!彼は待ち望んだが、温室はやってこなかったというのだ!人々の中の何人かは、ピーターが馬鹿なのではなかろうかという表情で彼をながめた。―何を期待するのか?ただ待っていたって、ものは手に入りはしない。手に入れるためには、そのために働かなければならないのだ……。
「そうこうするうちに突然、私は何が問題なのか認識したのです。それまでの私はあまりにも漠然と期待していたのです。私はこの場所へやってきて、面積を測り、二.四×三.七メートルの広さのヒマラヤ杉の木造温室を求めました。すると次の週には、それが出現したのです」
 見学者グループはいまや確信した。彼は馬鹿なのだ。一同は不信と驚きの入り混じった表情でピーターをじっと見つめていた。・・・
「この共同体は、"祈りの実現の法則"にもとづいています。共同体はこの原理にもとづき、運営されているのです。必要は完璧にかなえられるという完全な信仰により、運営されているのです」
「もし何かを求めてもそれが現れなかったらどうするのですか?」と血色の悪い眼鏡をかけた学者が、明らかにピーターの言葉の途方もなさを面白がって質問した。
「いつもかならず現れます」とピーターは即座に答えた。
 ・・・
「われわれの必要はすべて充たされるのです。偶然ではありません」と、ピーターは有無を言わさずにもう一度言い切った。
 ・・・
 ピーターは学者の眼をなおもじっと見ていた。それはある一つのことを語っていた。―現在だ!未来に生きるな、過去にも生きるな、そんなものは存在しないのだ、ただ今を生きるのだ!ピーターは活力に満ちていた。彼の体に充ちあふれるエネルギーを前にして、学者はぽかんとして、戦いに負けたことを悟った。―ピーターの方は全然戦ってさえいないのだから……。