ダメをみがく

ダメをみがく―“女子”の呪いを解く方法

「ダメをみがく 女子の呪いを解く方法」という本を読みました。
どんな内容か、津村記久子さんのあとがきに、わかりやすく表現されていました。

P249
 ・・・私は、幼稚園の時に同い年のできる子に何度も怒られたり、小学生の時に「クラスで一番うるさくて先生に叱られてる女子は津村さん」と同じクラスの女の子に指摘されたりしたせいか、今もその気分が抜け切らず、ちょっとしたことにもくよくよしがちである。基本的に、世の中の大概の人は、私よりできる子だと思うし、さすがに身の回りのことができなくて怒られることは減ったが、至らないと反省することは多い。しかも、その反省のポイント自体を外していて、実は思いも寄らない所が至らず人に迷惑をかけているというトリッキーなことまで起こる。そのたびに、あたふたしながらあやまり、状況を取り繕う。夜なべして。
 この本は、言うなれば、その繕い方の見本帖みたいな本である。刺繍の図案集ではない。生地の美しい飾り方ではなく、この生地の破れ方はこのステッチで補ったらあと2年ぐらいは持ちますよ、というようなことばかりをたくさん言っている。もともと備わっているものが少ないので、常に自分を修理しながら生きていかなければならない人たちが作った、至らなさの細かいカタログのようなもので、その至らなさを補う変な工夫を持ち寄った本であるとも言える。これだけいろいろダメだと、たぶんどれかは誰かに当てはまるところがあると思うので、それぞれに繕い方を拾って使っていただければとてもありがたい。・・・