元気なノンナ

もっとトマトで美食同源! (集英社文庫)

こちらの本に載っていたノンナも素敵でした(^^)

P147
「・・・近所に百二歳の元気なノンナがいますよ。百一歳を迎えた時には、町長もお祝いにかけつけたほどなのです」
 偉大なるノンナの名前は、オルガさん。一九〇九年十月三十日生まれゆえ、もうすぐ百三歳になられる。レザー服製造店の創業者だそうです。今でこそ経営は娘に引き継いだものの、仕事場へ出向き、お客さんの相手をしている、とか。
 ・・・
 ものごとにこだわらず、「Tutto bene(なんでもオーケー)」が口癖のオルガさん。すべてを受け入れる寛容さを持っています。なんでも好き嫌いなしによく食べることも確か。トマトをベースに、何種かの野菜と煮込んだ肉料理が大好物。ワインも欠かさないどころか、時にはアルコール度の強い食後酒、グラッパまで口にします。
 現在でも、ほとんどが自分の歯、という事実も圧巻です。手仕事を長年続け、日々、多くの人たちとの会話を楽しんでいることも、明るく元気な百歳代でいられる要因。・・・
 ジョーク好きな彼女は、接客術にも長けているそうです。こんな話をしては、お客さんたちを笑わせている日々。
 ―ついこの前、自分の葬式の夢をみたのよ。この歳だから、当然よね。でも、棺の中はカラッポ。自分でその棺を押していたら、周りの人たちが叫ぶのよ。「シニョーラ、中に入らなくっちゃ!」って。そこで私、こう返したってわけよ。「いーえ、まだ早い。中へ入ったりしないよっ」と。フフフフッ、おかしな夢でしょ。