2008年の

はじめてのことがいっぱい―yoshimotobanana.com2008 (新潮文庫)

ばななさんの日記、これは2008年のもの。
印象に残ったところのメモです。

P41
 ・・・全員がいい人でこわいくらいのおそばやさんがある。
 ・・・そこでおそばを食べていたら、トップオブザいい人のおかみさんが「あのねえ、きのう、お店のカードはないか、っていうお客さんがいたのね」と言っているのが聞こえてきた。聞いているのはベテランの従業員のこれまたいい人のおばさん。
 おかみさん「それでね、カードはないからマッチをさしあげようと思ってね、下からさっとマッチの箱を出したら、なにかのひょうしに火がついて、ちょうど目の前で燃えたの!びっくりしたわ〜」
 おばさん「それは……」
 あぶなかったわね、もしくは大丈夫だった?を想定して聞いていた私。
 おばさん「マジック〜!?」
 うふふと笑い合うふたり。思わずお茶を吹き出してしまった。

P59
 森先生がブログの日記で「霊魂もウルトラマンも同じくらいの確率で存在しないと思う」というようなことを書いてらした。私は、大まじめに、どちらも同じくらいの確率で存在していると思っている。ちょっと形は違うだろうし、説明も自分なりにはできるんだけれど、かといってちっとも論争気分にならない。見ているものが違いすぎるとお互いを尊重してかえってお友達でいられるという珍しい例だと思う。

P323
 服装は釣りとホームレスの微妙な境目のおじさんが、ビニール袋にパック入りとうふ二丁と生の川魚を丸ごと一匹入れて下げて歩いていたが、ほんとうにもうちょっとでいろいろな質問が爆発しそうになる心をぐっと押さえた。