自分を振り返る

過去の自分を振り返る人だけが成功する理由

トレーナー仲間の達蔵さんの本を読みました。
「過去の自分を振り返る人だけが成功する理由」
振り返るよりも前を向いて、と言われることもありますが、振り返れば気づくことも、新たな発見もあり、またとらわれを解放することもできる。
潜在意識に眠っていることを顕在意識に浮かび上がらせようというか、人生のすべてに光を当てようというような主旨で書かれているのでは?と思いながら読みました。

そしたら続いて読んだこちらの本に、振り返りの効果というか、脳は振り返ることで上達していくということが書かれてました。
紹介されていた「プロとはその道のあらゆる失敗を知っていることだ」という池谷さんの恩師の言葉、その通り…と深く響きました。
できない脳ほど自信過剰

P47
 今月の「サイエンス」誌に発表されたジョンズ・ホプキンス大学のハーツフェルド博士らの研究を紹介しましょう。脳は成功体験よりも、失敗体験からよく学習します。この原理をシンプルに応用した実験です。
 目の前のコップに手を伸ばすのはやさしいことです。しかし、視野が10センチ右にシフトする特殊メガネを掛けたら、伸びる手は右にずれてしまいます。ところが脳は見事なもので、手を伸ばしつつ軌道を修正して遠回りしながらも正しくコップに到達します。エラーを随時修復するのです。
 この訓練を何度も繰り返すと、メガネを掛けたままでも、遠回りせずに最短経路で手を伸ばすことができるようになります。右にシフトした世界観に慣れ、意識することなく自然と生活できるのです。おもしろいことに、右ずれメガネを掛けた生活に適応できるようになった後には、逆の左ずれメガネにも素早く順応できるようになっています。
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 こうした実験データから、ハーツフェルド博士らは「脳は今回の失敗を過去の失敗経験に照らして上手に認識することで上達する」と結論しています。なるほど、含蓄のある言葉です
 この論文を読んで「プロとはその道のあらゆる失敗を知っていることだ」という恩師の言葉を思い出しました。結局のところ、脳の学習は消去法なのです。
 ―私は一度も失敗したことがない。単に何万通りものうまくいかない方法を発見しただけだ(トーマス・エジソン)。