死生観

85歳のチアリーダー

戻りました(^^)
同じ本のつづきで、リアルな話というか、なるほどと思いつつ読んだところです。

P164
 あるお医者さんの本を読んでいたら、「年寄りが倒れても救急車を呼んではいけない」と書いてありました。苦しくてもそこをガマンすれば、そのまま死ねると。
 それを読んで私は「これだ!」と、感動したというか、おおいに安心したのです。多少、痛いぐらいはガマンガマン。延命治療をされて、意識があるのかないのか寝たきりで何年も生きながらえるなんて考えるだけでも恐ろしい。不謹慎かもしれませんが、一人で倒れて孤独死が私の理想。孤独をことさら好んでいるわけではなく、ヘタに助けられるのが困るのです。
 肉体的に衰え、食欲もなくなる。食べものもおいしいと思わなくなって、おしゃれっ気もなくなる。目も耳も不自由になる。歩くのもままならなくなり、ベッドの上で天井をぼんやり眺めるだけ。そんな生活、なんの楽しみもありません。そこに生きている意味を、やはり見いだせないのです。
 そう思いながら同時に、私がこんなことを言っていられるのは、そもそも元気だからということも承知しています。
 元気な方が90歳を過ぎて、急に生に執着するようになったという話を聞いて、心底、恐ろしくなりました。理想は孤独死と言っている私が、90歳を過ぎて「死にたくない!」と健康にいいと言われるものを片っ端から試し、サプリメントを飲み倒すようになるかもしれない。しわくちゃでもなんでもいいから、「生きたい!」「生きたい!」と願うようになるのかもしれない。
 ここから年を重ね、本当のところどうなるか、自分でもわかりません。でも、それでもいいかなと、そのときはそのときで、自分を正直に受け入れていこうと覚悟しています。