アナスタシア

福井から戻りました。
参加してくださったみなさん、ありがとうございました(*^_^*)
福井のヘミシンクセミナーhttp://fukui-hemisync.ocnk.net/は、トレーナーの園さんの自宅で開かれているのと、
周囲も自然いっぱいなのとで、いつも以上にホッとリラックスできた気がします。
ではでは、また読んだ本のご紹介です。

アナスタシア (響きわたるシベリア杉 シリーズ1)

以前から気になりつつ読んでなかった「アナスタシア」を読みました。
アナスタシアはシベリアのタイガに住む若い女性で、驚くほど光そのもののような存在です。
その女性に出会ったウラジーミル(著者)が、世界にその大切なメッセージを伝えるために書いた本でした。

P66
 ・・・私はアナスタシアと三日間をともに過ごし、人里はなれたシベリアのタイガに住む奇妙な若い女性を観察し、彼女の暮らしぶりを私なりに理解しようとした。
 ・・・
 アナスタシアは森の中にたったひとりで住んでいた。住居はもたず、ほとんど衣服を身につけず、食料を貯蔵しない。森の中の暮らしを何千年ものあいだ受け継ぎながら、われわれとは根本的に異なる文明の担い手として生きてきた人々がいて、彼女はその子孫だった。
 彼らは賢明な、おそらく自分たちにとって唯一の正しい選択をし、その生き方を今日まで貫いてきたのではないか、私にはそう思える。彼らはわれわれと接するときは外見に気を配り、目立たないように努める。そのいっぽうで自分たちの永住の地では、自然に完全に溶けこんで生きている。
 森の中に、彼らが住んでいる場所を見つけるのは難しい。人の居住を示すのは、たとえばアナスタシアの住まいである草地のように、周囲よりその場所だけがよりよく手入れされているとか、より美しいとか、そういったことだけだからだ。
 アナスタシアはこの森の中で生まれ育ち、彼女自身がこの自然の一部だ。
 ・・・
 アナスタシアがまだ一歳にもならない頃、母親が彼女を一日中、ひとり草地に残したこともあったらしい。
「どうして餓死しなかったんだ?」と私が聞くと、タイガの世捨て人は驚いた表情で私を見つめて言った。
「世界ははじめから、人間が何を食べようか、どこでそれを得ようかなどということに、思考のエネルギーを費やす必要がないように創られているの。
 すべてのものが人間の必要に応じて熟すようになっているから、人は呼吸するように食べて、栄養など気にせず、もっと大切なことに意識を集中していればいい。
 創造主は、人間以外のものに食べ物の準備を任せた―。人間が人間としての目的を果たせるように」
 ・・・
 アナスタシアの立場はシンプルだ。初めから豊かに与えられているものについてあれこれ考えて時間を無駄にするのは罪であり、人間がつくった人工的な世界での暮らしは、問題ばかり生み出していると言う。
 事実、タイガに住む世捨て人アナスタシアは、食べ物のことは考えず、身体的にも知的にも、そのためにエネルギーを使うことはない。それでいて、自分の体組織にとて理想的なバランスの最高品質の栄養をとっているのだ。
 ・・・
 われわれはこの世界に親しみ、進んだ社会だと考えているが、現代文明は、自然と調和して生きるという、もうひとつの生き方を忘れていなかったか。
 もし人間が何千年にもわたる文明の発展において、人工的な世界の構築ではなく自然との調和をめざしていたら、・・・
 ・・・
 私はアナスタシアにたずねた。
「私が上着を着ているというのに、きみはそのかっこうでどうして寒くないの?」
「服というシェルターの中で寒さや熱を遮断すると、人の体はしだいに環境の変化に適応する能力を失っていく。
 私は本来の人間の特性を失っていないから、とくに服を着る必要がないの」