その後とその前

その後とその前 (幻冬舎文庫)

瀬戸内寂聴さんとさだまさしさんの対談本「その後とその前」を読みました。偶然、東日本大震災を挟むことになった対談、興味深かったです。

こちらは寄付についてのお話。
P92
寂聴 今まではこういうことがあったら、私は必ずその翌日か翌々日に有り金持って現地に行ってたんですよ。ひとりで駆けつけてたの、お見舞いにね。何もできないけど行ってたんですよ。それでね、今度はベッドに寝てなきゃいけなかったから行かれなかった。でも、やっぱりこれはお金送らなきゃいけないと思って、それで送ったんです。そのとき、もう悩んでね、これくらいにしようか、もうちょっと少なくしようか、もうちょっと多くしようか、悩みましたよ。惜しいもの、だって、ねえ(笑)。
さだ そりゃそうですよね。自分で一生懸命してきたわけですからね。
寂聴 一生懸命働いて、やっとできたお金でしょう?でも、そのときよくわかった。自分が惜しいと思うぐらいあげなきゃダメ。
さだ なるほど。
寂聴 だからね、「このくらいだったらいいわ」っていうんじゃ、それはダメね。
さだ「ま、この程度なら自分も痛まない」っていうんじゃなくて・・・・・・。
寂聴 そうそう。「あ、惜しい」と思う・・・・・・。
さだ 自分も「痛い、痛い」・・・・・・。
寂聴 そうそうそう(笑)。