心の声を聞く

心の野球 超効率的努力のススメ (幻冬舎文庫)

直感に従う、心の声を聞く。松井秀喜さんや、本田圭祐さんもそうしてましたが、とにかく大事だなと思います。

P198
 進路に思い悩むこともあると思う。
 そんなときは、よくよく考えることも大事だが、直感的に心が選ぶ行き先に従うのもいい気がする。いろいろ考えすぎて、心の声に反応できないのが一番よくないのではないだろうか。
 僕は巨人を退団し、メジャーリーグへの挑戦を決意した。
 僕の目の前には三つの選択肢があった。
 僕にオファーをくれたのは、チームカラーが青のロサンゼルス・ドジャース、赤のボストン・レッドソックス、黄色のピッツバーグ・パイレーツの3球団。
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 金額を見たら赤のオファーがぬきん出ていたし、人とのつながりを考えたら青だった。ドジャースのチームドクターは僕の右肘の手術をしてくれたジョーブ博士で、ジャイアンツをやめることになったとき、真っ先に僕に声をかけてくれた球団でもあり、そもそも、ドジャースにはずっと惹かれていた。そうやって考えていけば、普通、真っ先に外すのは黄色のはず。
 でも、自分の心に、赤、青、黄を思い浮かべて問いかけると、不思議なことに何度も何度も黄色が浮かび上がってくる。
「金額的にも一番低いし、縁もゆかりもない土地だぞ」
 これでいいのか、本当にいいのかと何日も考えて、改めて自分の心に「どこへ行きたいのか」と問い質すと、答えは決まって黄色になった。
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 ときには3枚の紙にそれぞれの球団名を書き込んで、目をつぶって1枚を選んでみるという、子どもじみたこともしてみた。それが、3回とも同じ答えが出たから、正直、驚いた。
 もしレッドソックスに行けば、長年オーストラリアで一緒に自主トレをしてきたジャイアンツの後輩、岡島秀樹君もいるし、僕と同じチームで戦いたいと言ってくれていた松坂大輔君もいたから、僕にとっても刺激になるし、楽しい毎日を送ることができたかもしれない。
 もしドジャースだったら、ロサンゼルスの周辺には友達がたくさんいるし、チームは日本語の通訳もトレーナーも雇ってくれる。契約交渉も日本語だけで可能だったと思うし、アメリカで暮らすストレスはずいぶん少なかったはず。
 けれど、僕は結果的にパイレーツを選択した。自らの心に問いかけたときに再三浮かび上がってきた球団を素直に選択したのだ。
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 人生における決断の方法は人それぞれだ。
 自分が信頼している人の意見を忠実に聞く人もいれば、ギャンブル的に命運をかける人もいる。時の流れに身をゆだねる人もいれば、金銭面を判断基準にする場合もある。
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 僕の場合、それはやはり自分の「心」と「身体」の声を聞くということ。それができるように、日々心を研ぎ澄まし、自信をもって決断できるようにしておきたいものだ。

 ところで、明日はちょっとブログお休みして、また月曜日に再開します。
 いつも見てくださってありがとうございます(*^_^*)