人生は聖なる実験

アフターライフ―――亡き兄が伝えた死後世界の実在、そこで起こること

人生を別の言葉で言うなら、聖なる実験ってなんてぴったりなんだろうと思いました。

P179
 人はそれぞれ、地上でできる聖なる実験を行っている。人間の生まれ変わりの旅も、知恵のひとつなんだ。
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 人の魂は高い次元からやってきたことを忘れ、肉体の中に包まれたまま、わざわざ困難な場所である地上に降りるのはなぜだと思う?それはね、アニー、魂は経験が大好きで、苦しみなんて何とも思っていないからなんだ。魂は何があっても傷つかないって知っているんだよ。
 といっても、人が痛みより楽しいほうが好きなのは不自然じゃない。ただ、魂にとっては苦しむことも計画済みなのさ。
 そして、人がこの世を離れるまで、自分はどうして生まれたのか、どこからやってきたのか、なんてことが完全にはわからないようになっている。僕だって、苦しみや痛みを経験するのは好きじゃなかったのに、僕の地上での人生の終わり方は、まさに苦しみと痛みにまみれていた。君は僕が人生に失敗して苦労したと思っているだろうけど、そうじゃない。僕の人生は悲劇のオペラみたいに終わったけど、あれでよかったんだ。

P211
 人は普通、頭を殴られるような衝撃的な奇跡でも起こらない限り、自分が受けている恩寵を実感することはない。自分の毎日にわずかな奇跡がつねに起こっていることに気がつかないんだ。ちゃんと呼吸をして、目が見え、耳が聞こえ、歩け、話ができ、考えられるし、感じることができる。全部奇跡なんだよ。だからスピリチュアルな道を歩むには「感謝すること」が必要だと言われるんだ。そうすれば人生の中の恩寵に気づけるからね。

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 アニー、君がこの川の流れの音をほんのちょっとでも聞いたら、怖いとか、怒るとか、頭に来ることなんて二度となくなるだろう。たぶん、だからこそ君の耳には聞こえないのかもしれない。地上であらゆる感情を体験するために生まれたんだから、聞こえなくていいんだよ、聞こえなくて。